講義情報

クラウドファンディング学

クラウドファンディング学

日本の伝統美をクラウドファンディングで伝えよう!

未来を拓く学部-circle未来を拓く学部
クラウドファンディング学

講義について

お金もスキルも、仲間とシェアして未来をつくる

自分たちが実現させたい未来をつくる1つの手段、それがクラウドファンディング。最近は日本でも活用する人が増え、社会問題からアートの世界まで幅広い分野で志を持った人が、様々なプロジェクトを立ち上げています。大きな資本を持たなくとも、共感の力でモノやコトを自ら生み出したり、参加したりすることも可能にするクラウドファンディングは単なる資金調達の方法ではありません。そこには社会をつくる仕組みを変える大きな可能性が潜んでいます。

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第5期は、「デザイン漆器」に焦点を当てます。
日本の漆の技術は、世界的にみて、クオリティーの高いものとして評価されています。 しかしその一方で地球温暖化の影響などで日本でも年々、漆自体の質の低下や取れる地域が少なくなっているという問題や、漆を使う製品のため長い制作期間を要すことを避けられず、最終的に手元に届く頃には高コストになってしまい、結果として作家も少なくなってきている問題も抱えています。

これらの課題に対して、3D技術と福井県鯖江市の産地との連携で、手頃な漆のプロダクトを生産し流通させることで、「漆の本物を知る豊かな暮らし」を提案するプロジェクトが、2016年に自由大学クリエイティブ創業スクールの受講生の起業プランとして立ち上がりました。

「デザイン漆器」をテーマに開講する5期のクラウドファンディング学では、2017年5月にクラウドファンディングを開始するのに合わせて、「どう共感してもらう情報発信をしていくか?」「クラウドファンディングを行うことで、プロジェクトにどんな文脈をもたせていくのか?」ということをプロジェクト実践型で講義の中でディスカッションし行なっていきます。 その後の実際のクラウドファンディングを5期のメンバーを中心に一緒に盛り上げいきます。 クラウドファンディング自体を体系的に學ぶのも大切ですが、クラウドファンディングの思想を理解した上での実践することが一番の學びになってきます。

ゲストケースの齋藤将宏さんからのメッセージ

長年、ファッションを中心としたアパレルデザインを生業としつつ、乾漆のうつわを作り始めて8年になります。大量生産/消費のような一過性の利益や満足を刹那的に追い求めるのではなく、自分の暮らしを構成するシーンや使用するモノなど、自分の感性でこだわりを深め、日常の物事を丁寧に行い、豊かな暮らしをイメージさせるモノづくりを考えています。

乾漆とは
奈良時代に始まった漆工芸で、自由な美しい造形を作ることができる伝統工芸技法です。土または石膏等で原型を作り、その上に切り粉錆(砥粉、地の粉、生漆を混ぜ合わせたもの)と麻布を幾重にもミルフィーユのように塗り重ね、一層ごとに乾燥させて研ぎ出す工程を繰り返し、厚みの整ったところで型から外し、漆を上塗りをして完成します。東大寺や興福寺をはじめとした国宝の仏像の制作技法としても有名です。仏様のお姿がいつまでも変わらぬ様にとの願いからこの技法で制作され、ゆえに1000年以上変形しないと言われています。

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伝統工芸
日本の伝統工芸の中には、素晴らしいものにもかかわらず、一般的にあまり知られていないものがたくさんあります。それは、時間と手間と高度な技術が必要なため、高単価なものとなってしまい、一部の愛好家が対象となり、一般的な産業として普及していないからです。また、その担い手の中には、実際のところ対価に見合わず制作している作家も多いと思います。どんなに素晴らしい作品だとしても知ってもらわなければ、認知は広がりません。世の中の共感を得て、認知とニーズを広げるための施策とその魅力の情報発信をすることが出来れば、日本の工芸の未来への可能性は、広がります。クラウドファンディングは、そんな未来を実現する仕組みだと思います。

デザイン漆器プロダクト
乾漆のうつわは、大変時間と手間がかかる為、数を作ることが出来ず高価であるゆえに、広めていくことの難しさを感じていました。そこで、この乾漆のうつわを原型として、3D技術と越前の職人達の力をかりて量産化し、工芸品より手頃な価格で、本物の漆の魅力を伝える漆器プロダクトの開発に着手しました。今回の原型となるうつわは、約半年以上の時間をかけて、一切の妥協なしに丹念に制作した一点ものです。アシメントリーな独自のデザイン性で、コーヒー、お茶、デザート、お酒など、普段使いのためのデザイン漆器です。

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デザイン漆器(モダンデザイン × 伝統工芸技法 × 越前産地)× クラウドファンディング = 心を豊かにするうつわ
今回の講座の題材である伝統工芸技法を取り入れた「デザイン漆器」は、実際に5月からクラウドファンディングを実践していきます。クラウドファンディング学で多くの人に共感してもらう為の仕組みや組み立てを学び、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。この漆器の特性とニーズ、どんな人達がどうやって作っているか、越前産地、漆器の魅力や素晴らしさ、取り扱い方、具体的な使用イメージ、文章やビジュアルの見せ方、共感させるためのプロモーション方法など、授業の実践が具体的にどのような反響を呼び、共感を得ることが出来るのかをリアルに体感できることと考えています。その後も、プラン、アクション、検証を繰り返し、このプロジェクトの目標の達成を目指して、認知を広げて行きたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

 

キーワードは3つ、”Sharing Economy”、 ”Do It Ourselves”、 ”Parallel Career”

1) ”Sharing Economy” 独占から共有へ

今までの「消費」経済から「共感・共有」経済への転換。資本主義社会においてシェア(分配量)の取り合いではなく、シェア(分かち合う)をすることでお金を循環させる”sharing economy”の台頭。そのパワーはますます強まってきています。

2) ”Do It Ourselves” ないなら自分たちで創る
自分達の望むものを自分たちで創りだす、そんな姿勢で生活をクリエイティブにしていくムーブメントが広がりつつあります。大きな資本や政治的な力を持たなくとも、まずは共感してくれる人たちと一緒に作り出すことから始めよう、そんな人たちがクラウドファンディングの周りには集まっています。

3) ”Parallel Career” やりたいことを仕事にする
クラウドファンディングのプロジェクトでシェアするのは、お金だけではなく、みんなの知恵やスキルも同様。プロジェクトに参加することが、自ら仕事を創りだしたり、会社をつくるきっかけになることも多々あります。webの力で多くの人を巻き込む事で、1つの仕事に縛られない多様な働き方や活動が実現しているのです。
講義では、これら3つのキーワードと共に、クラウドファンディングの哲学や関わる事で生れる価値などを解き明かし、クラウドファンディングで成功する為に必要な事も皆さんと共有していきます。

クラウドファンディングは、日々の生活をデザインする仕組み

たとえば、「地元を元気にしたい」、「子育てがしやすい環境をつくりたい」、というような自分が何とかしたい、何か行動したい、という課題があったときに、クラウドファンディングを使ってどんなことができるのか。ひとつは、自分が主体となって、課題を解決するプロジェクトをつくること。もうひとつは、応援したいプロジェクトに投票すること。
あなたなら、どんなふうにクラウドファンディングを使って、未来をデザインしますか?ゲストの事例を聞きながら、身近な課題を解決するプロジェクトの企画をしたり、あるいは、どんな形で応援していけばよいのかをディスカッションします。クラウドファンディングを自分ならどう活用するのか、自分自身に置き換えて考えてみましょう。

とはいえ、クラウドファンディングの歴史はまだ始まったばかり。その仕組み自体もまだまだ成長段階にあります。「もっとこんな風だったら参加する人が増えそう」とか「こんなこともプロジェクトになりそう」など、クラウドファンディング自体も発展していくようなディスカッションができればいいなと思います。

クラウドファンディングは、日々の生活をデザインする仕組み。お金がない、時間がないなどの障壁を取り払い、ワクワクする未来をつくる可能性をもっています。この新しい仕組みをみんなで体感してみませんか。

教授 大高健志さんからのメッセージ

MotionGalleryというクラウドファンディングサイトの代表をしています。「やはり映画やアートの世界でクリエイティブな事をして行きたい!」との思いから、戦略コンサルタントとして働いていた会社を辞め、東京藝術大学大学院に進んだのですが、そこで勉強していく中で、クリエイティブな活動にはお金がとても必要になる一方で現状では相互の相性が必ずしも良くないなあと感じる事も多く、新しいクリエイティブとお金との関係性を構築しようと思い立ち、2011年にMotionGalleryをスタートさせました。

日本でいち早くスタートしたクラウドファンディングサイトのMotionGalleryは今年で5年目になり、日本最高額を記録した映画『ハーブ&ドロシー』やカンヌ国際映画祭コンペティション部門にノミネートされた『Like some one in Love』、横浜トリエンナーレ出品作品『釜ヶ崎芸術大学』、『やなぎみわデコプロジェクト』等のアート系のプロジェクトから、ソーヤー海さんの『アーバンパーマカルチャー』出版、YADOKARI『INSPIRATION by YADOKARI』等の、ソーシャルデザイン・プロジェクト等、日々の暮らしを豊かにするクリエイティブなプロジェクトを、これまで600件以上サポートして来ました。

一方、クラウドファンディングという言葉が広まるに連れ、クラウドファンディングが生み出そうとしている価値やその哲学と、有効的・実践的な使い方の両輪を、みんなで考え、そして共有していく事も大変重要になって来ていると感じています。

本講義では、これまでのデータ・実例もベースにしつつ、皆さんやゲストの方々と一緒に、これからのクラウドファンディングについて、哲学的/実践的に考えて行きたいと思います!

(第5期募集開始日:2017年2月27日)

こんな方が対象です

・クラウドファンディングに興味があり、学び・実践できる場やコミュニティを探している方

・座学で學ぶよりもクラウドファンディングを実践したい方

・「これまでの活動をもっとクリエイティブにしたい!」、「もっといいプロジェクトの実現の仕方があるのではないか」という様な、新しい働き方や活動の在り方を探している方

・クリエイティブや社会との新しい向き合い方を模索している方


講義計画

第1回

Philosopy:社会彫刻/プロシューマー

クラウドファンディングが何故誕生したのか、どの様な社会的意義を持つ仕組みなのか、他のファイナンス手法とどう違うのか、といったクラウドファンディングの哲学、そしてクラウドファンディングが社会にもたらす価値についてディスカッションします。

【参考文献】 水戸芸術館現代美術センター『ヨーゼフ・ボイスよみがえる革命』
アルビン・トフラー『第三の波』
ピーター・ドラッカー『明日を支配するもの』
(興味のある方は、予習復習にご活用ください)

第2回

デザイン漆器・漆を考える

デザイン漆器のクラウドファンディングプロジェクトをスタートする齋藤さんに現状の課題や齋藤さん自身の想いを語っていただきます。

※ゲストケースで齋藤昌宏さんのクラウドファンディングプロジェクト「モダンな漆器の製造・販売〜心を豊かにするうつわ〜」を実践ケーススタディーとして考えていきます。

第3回

共感をつくる情報発信(グループワーク)

ゲスト:齋藤将宏さん(漆芸デザイナー)
クラウドファンディングと伝統工芸を絡めて、どのような情報発信の仕方を行っていくかグループでディスカッションしてもらいます。共感させるプロモーション方法とは一体どういう方法なのでしょうか。グループを作ってもらいディスカッションしていきます。

※ゲストケースで齋藤昌宏さんのクラウドファンディングプロジェクト「モダンな漆器の製造・販売〜心を豊かにするうつわ〜」を実践ケーススタディーとして考えていきます。

第4回

ムーブメントを起こす(グループワーク)

ゲスト:齋藤将宏さん(漆芸デザイナー)
ソーシャルアクションを起こすために、クラウドファンディングを活用するとは、どのような意味を持たせればよいのでしょうか?クラウドファンディングの活用法について考えていくとともに、実際に社会に対してどのようにコミットしていくのかをグループで話し合い、理解を深めていきます。

※ゲストケースで齋藤昌宏さんのクラウドファンディングプロジェクト「モダンな漆器の製造・販売〜心を豊かにするうつわ〜」を実践ケーススタディーとして考えていきます。

第5回

みんなのプランを発表

ゲスト:齋藤将宏さん(漆芸デザイナー)
これまでのグループでのケーススタディーをまとめつつ、5月に開始するクラウドファンディングでの情報発信・リターンをどのようにやっていくかについて、それぞれのグループで発表し合います。お互いにフィードバックしながら、ブラッシュアップし、みんなで5月のクラウドファンディング開始に向けて準備を進めていきます。

※ゲストケースで齋藤昌宏さんのクラウドファンディングプロジェクト「モダンな漆器の製造・販売〜心を豊かにするうつわ〜」を実践ケーススタディーとして考えていきます。

岩井謙介

キュレーター

岩井謙介

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ゲスト

齋藤将宏

漆芸デザイナー

齋藤将宏

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スケジュール

講義名
クラウドファンディング学
日程

第1回:4月 1日(土)18:30-20:00

第2回:4月 8日(土)10:30-12:00

第3回:4月15日(土)10:30-12:00

第4回:4月22日(土)10:30-12:00

第5回:4月27日(木)19:30-21:00

定員
20名 ※定員になり次第締切
申込締切日
3月30日(木)
授業料
28,000円(税込)
キャンパス

表参道 COMMUNE 2ndキャンパス

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