講義レポート

「旅とは何か」を問い続ける

新旅学のすすめ 講義レポート

学生のころから日本各地を一人で旅していて、中でも各地のゲストハウスで出会う人たちやゲストハウスでの空間、時間の流れが好きでした。ですがゲストハウスで出会う非日常空間を楽しんでいたはずだったのに、最近は現実逃避のために旅に出ることが多くなり、本来宿泊が楽しいはずのゲストハウスも新鮮味が無くなり面白くなくなっていき、旅に出る意義を失いかけていました。

その様な状況でたまたま自由大学のWebを見たところ、何やら面白そうな講義があるということでこの「新旅学のすすめ」に出会い、特に新旅学という言葉の意味を考えてはおらず、講師やキュレーターの旅の経験や彼らとの対話を通じて、前述の通り何か自分の旅を見つめなおすきっかけになればと思い受講を決めました。

 

講義を一言で表すのはとても困難であり、そして毎回の講義はとても深いところまで考えさせられるものでした。そもそも受講前に考えていた講師やキュレーターの仕事=旅から得られた経験や考え方の話をするかと思いきや

・そもそもなぜ旅をするのか

・旅を通じた個人と社会のつながりとはどのようなものなのか

・旅で出会う偶発性を必然性に近づけるためにはどうすればいいのか

・自分の個性=Style, Identityをいかに確立するのか

・StyleやIdentityと旅をどう結び付けて、自分の中のサイクルを回すのか

など、事前の予想と反して哲学的な内容が大半を占めていたように思います。

一見、旅とは無関係な内容のように見えますが、この内容を考えて初めて旅≠新旅学を理解し、この講義の中で見つけた学びや気づき、新たな問いを自分の中に落とし込みことができるようになると思います。

とはいえそう簡単に答えは見つかるものでもなく、自分自身この講義の中で「自分の新旅学の定義」を言語化し、自分の中に落とし込んでみましたが、いざ講義を修了した後も日常生活の中で再度考えなおす日々が続いています。「自分の新旅学」についてはまだまだこれからも考え続けていきたいと思います。

 

繰り返しになりますが、自分の新旅学の定義もまだまだ確立したわけではありません。今回一緒に講義を受講した受講生にもそれぞれ自分の「新旅学」の定義=Identityがあり、それに拠り所として今後も旅を続けていくのだと思います。自分のIdentityをどう確立していくのか、いかに旅の経験を自分の「新旅学」に落とし込んでいくのか、旅の経験や自分の新旅学をいかに自分の日常生活と結び付けるのか・・・

まだまだ自分の新しい旅が始まったばかりだと思います。これからも考え続けて、旅に出て、自分の新旅学を探し続けていきたいです。

text : 第2期卒業生 天野 誠之



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