講義レポート

ライフスタイルを学ぶ、旅

キュレーターの旅の視点

「新旅学のすすめ」のキュレーターたちがどのような視点で普段の旅をしているかをコラムでお伝えします。

第一回目はキュレーターの岩井です。

a quiet dayというライフスタイルマガジンを年4回製作するために、同じく年4回、北欧(デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド)を旅している。このライフスタイルマガジンは、ガイドブックのような「場所」には、フォーカスを当てていない。どちらかというと、「人」にフォーカスしていて、その人がなぜ今の活動を行なっているのか、そのアイデアはどこから生まれて来たものなのか、今後それをどのように発展していきたいのかといった、その人が大事にしたい「考え」や「姿勢」にフォーカスを当てている。

時間というものは残酷なもので、仮にこういった場所があるという場所の紹介にとどまってしまうと、時間が経つにつれて情報の鮮度がなくなってしまう。もちろん人の考え方や姿勢も時間の流れによって変わってしまうという意見もあるだろうが、だったら今度はその変遷を辿って丁寧に取材をしてあげれば、またお互いにより密接に知り合うことができるものだ。(現に何度も話を聞いている人も中にはいる。)

個人的な意見になるが、ライフスタイルも同様で常にその時の社会的な状況、個人の状態によって変化をするものだと思う。そして、これから変化がさらに必要となってくる暮らしのヒントにもなって欲しいとも思っている。彼らの変わったところやなぜ変わったのかというところに、本質が見え隠れしてくるとも思う。だからもうすでに20回ほど同じ北欧を定点観測の旅をし続け、ライフスタイルマガジンとしてまとめたり、Nordic Lifestyle Marketというマーケットを作って自分一人で伝えられないことを状況として伝える仕事、いや私事を創っている。

自分が掲げた「静かな一日、a quiet day」というテーマとそういった慎ましいけれど豊かな暮らしの中で、様々なチャレンジを社会全体として体現している北欧に足を運び、それをライフスタイルマガジンの編集の視点で探求し表現し続ける旅は、今年も続くだろう。そして探求したいテーマを見つけられれば、フィールドは世界に広がっているはずだ。

(原文:https://aquietday.jp/blogs/news/travel



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