講義レポート

CHANGEへのアクション!乾物で未来の社会を変える

「自由大学出版」クラウドファンディングで本をつくるプロジェクト

「乾物は未来食」。そう発信しているのは「乾物のある生活」の教授、サカイ優佳子さんと田平恵美さん。自由大学でのこの講義は、2011年から16期を数えます。

自由大学新年会2017にてこのプロジェクトを発表!チームが発進しました。

「乾物をキーに、自分の周りから食を、さらに未来の社会を変えていけるのだ」という気づきを得る講義は多くの卒業生にポジティブな変化をもたらしてきました。そして心に革命に近い刺激を受けた卒業生たちの十数名に、共感した自由大学の仲間も加わり、「一個人では難しいことも、チームで取り組めば未来の社会を変えていける」との想いで、乾物の新たな可能性を広げ、フードロス問題を解決するきっかけになる本を創るプロジェクトチームが動き出しました。

なぜ乾物が未来食なのか
乾物は、面倒そう、古臭い、どれも同じ味になる。という声をよく聞きます。 しかし、私たちは乾物こそ、これからの社会に無限の可能性が拡がる存在だと考えています。食べつなぐために作られ、工夫されてきた乾物ですが、今の社会においては、新しい意味や役割を担う未来食なのです。

なぜなら、

乾物なら、フードロスを減らすことができます。(余った食材を干すことで活用でき、形が悪い野菜でも商品になります)
乾物なら、エコな生活を実践できます。(冷蔵庫いらず電気も使わないから)
乾物なら、いざという時の非常食にもなります。(長期備蓄しておけるから)
乾物なら、CO2を削減できます。(軽いので、輸送の燃料が少なくて済むから)
乾物なら、買い物も料理も実はラク。(軽いから。切ってあるものが多いから)
乾物なら、添加物がないので安心。(乾かすだけだから)

乾物は、まさに古くて新しい「未来食」なのです。

乾物のポテンシャルは無限大
食卓が変わる 行動が変わる 未来が変わる
乾物を新しい視点で捉えられるようになると、自分の意識、ライフデザイン、アクションなど様々なことに変化が起きます。

例えば、効率的な飲食店経営にも、乾物は有効
今回取材をした浅草の飲食店「ほしや」さんでは、オーナーの理系男子3人が「無駄のない経営をするためにどうしたらいいかと対話を重ねた結論が、乾物縛りでした」と語っていたのが印象的でした。乾物なら在庫管理がしやすく、価格も安定し、長期保存ができる上に、冷蔵庫に入れておく必要もなく、食材の無駄が出にくいのです。

例えば、自分で野菜を干すことは、フードロス削減の今日からできるアクション!

国内で出るフードロスは年間約632万トン。その内半分が家庭から出ているという現実。飽食の社会がある一方で世界には飢えている人たちもいます。そんな世界の食糧援助額総量は320万トン。私たちの家庭から出ているフードロスは、それとほぼ同じ量なのです。

薄切りにして干すだけでも色々な野菜を乾物にすることができます。使う時は包丁いらずで味噌汁の具やカレーやスープにと便利

買いすぎてしまった野菜も、一人一人が切って干しさえすれば半年はもちます。 農家さんは、形が悪かったり出来すぎてしまったりした野菜を干すことで、作ったものを無駄にせず消費者に届けることができ、不要な食糧輸入をせずにもすみます。

卒業生が作ったひじきとナッツたっぷりのミートローフ。簡単、そしてヘルシーなメイン料理になりました

例えば、ふだんの暮らしの中で。自分の食卓をデザインしやすくなります
ひじきや切干大根は煮物、の当たり前が変わります。メインにも、時短ランチにも早変わり。実にさまざまなシーンで活用できるのです。

切干大根たっぷりのカレーは煮込まなくても味に深みがでます。しかも戻し時間を入れても30分以内に完成、戻し汁も無駄にしません

乾物は忙しい人や一人暮らしの人にこそ使ってほしいストック食材。夜遅く帰宅しても乾物さえあれば、包丁いらず鍋一つであっという間にお腹も心も満たすことができます。

世界もすでに持続可能な社会に向けて動き出しています!
SDGsという言葉がよく聞かれるようになりました。2015年に国連サミットで採択された「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals)の略です。

「持続可能」ということに世界の意識が向かってきている今、消費するだけの食のあり方や環境を私たち一人一人が見直す時代にもなりました。だからこそ乾物は、未来のキーの一つとして大きな価値をもつ存在になってきているのです。 本という形にすることで、より多くの人たちにその動きを伝えたい。一人一人のチェンジの気持ちをアクションにすれば未来は確実に変わります。

社会人一年目の中田さんは週末にまとめて乾物を取り入れた作り置きをすることで、自分の食をデザインしています。乾物たっぷりのお弁当を公開してくれました

一人一人の想いとアクションの滴を広げ、大きな流れに
秋の出版を目指して、現在デザイナー、スタイリスト、ライター、編集、料理担当含めたくさんの方がほぼボランティアで関わってくれています。それでも本にするには印刷費やアイディアを形にするための実費がかかります。実現するためにはみなさまの力がどうしても必要です。

自由大学の講義「乾物のある生活」教授、サカイ優佳子さんと田平恵美さんからのメッセージ
みなさん、こんにちは。DRYandPEACEのサカイ優佳子と田平恵美です。
私たちは、ずっと食と社会とのつながりを意識して食の仕事を続けてきました。
例えば、田んぼを未来に繋いでいきたいと思い、米粉の普及に力を入れてきました。
そして、震災の後の計画停電の時、生鮮食品は売り切れているのに、乾物はいつもの通り店に並んでいるのを見て衝撃を受けたことから、乾物の今の時代ならではの価値を再定義し、広めていこうと思ったのです。

乾物で、暮らしが変わる、未来の社会が変わる
この本は、私たちにとっても、新しい挑戦です。
二人で始めた動きが多くの仲間の共感を得たことで、分野や立場を超えて人が集い、知恵や想い、ワザを持ち寄り、動き出しました。

乾物のある生活 教授 サカイ優佳子+田平恵美 DRYandPEACE

乾物の現代的意義を捉え直すことによって、暮らしが変わり、シーンが変わり、未来の社会が変わっていきます。 乾物で世界をもっとPEACEに DRYandPEACE!

クラウドファンディングの詳細はこちら(モーションギャラリーのサイトへ)

 

2018年2月14日についに書籍が完成いたしました!



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