講義レポート

良質なコミュニティのつくりかた

FREEDOM UNIVERSITY MAIL MAGAZINE | Vol.210より

人と人を繋げて、コミュニティをつくりたい。こういった事に関わりたいという人は多いと思う。コミュニティこそカルチャーの源泉だし、一人では出来ないことを仲間と成し遂げながら未来をつくる原動力になる。

自由大学はCOMMUNE 2nd内にある校舎を起点に、学びのコミュニティをつくっている。多種多様な講義を展開している中にも核となる思想があるから、誰でも講義をだいたい3つ以上取ると自由大学らしさが芽生えてくる。自分がどんな人間で、どんな人生を積み上げていきたいのか。始めて真剣に自由というものを考え、自分の自由を手に入れるために一生学びつづける覚悟を持つ。私が自由を感じていることが最も幸せだと考えていた際、自由大学をきっかけに2012年からポートランドの魅力にはまっていくことになった。

私が取材に携わらせてもらった書籍『TRUE PORTLAND 2017』の英語版が全米で発売開始になり、ファウンダーの黒崎さんと製作チームで現地の出版記念パーティーに参加してきた。最初に取材したのが、2013年の10月くらいだったので、そこから3年半の月日が経過した。黒崎さんに「1万冊売れる本をつくれ」と言われ、書籍をまるごとつくったことのない私にチャンスをくれたのが懐かしい。290ページにも及ぶ情報を、迫り来るプレッシャーを好奇心で跳ね除けながら、小さなチームで形にしていった。それは黒崎さんからの新しい刺激によって、私の中に眠っていたものを奮い立たせてくれた。

ZIBA Designにオフィスを構える山崎満広さん。(右から3番目)その左隣は自由大学ファウンダーの黒崎輝男さん。ZIBAのキャラクター梱包材のスチロールで創ったGeorgeの前で。

「Educationの語源は、ラテン語の引き出すという意味が語源で、あなたがやっているプログラムは、参加者の個性を引き出すEducation Programなのよ。」と教えてもらったのもポートランドだった。参加者は、自分の中身が空っぽで、ポートランドのエッセンスをたくさん詰め込んで帰ろうとするのだけれど、最後にはポートランドのクリエイティブな環境に刺激されて、自分の中にあるものに気づく。そして帰国後、数年経過しても変化し続けている。

2015年のキャンプを一緒につくってくれたブコラと。彼女が本当のEducationの意味を教えてくれました。写真右はいつもサポートしてくれる奥野さん。自由大学でポートランドの講義を受講後、現地に移住してしまいました。

今年もCREATIVE CAMP inポートランドを7月30日から1週間だけ開催する。私一人と、毎年手伝ってくれる奥野さんとで運営できるくらいの規模ということで、例年よりも縮小しているけれど内容は変わらない。ポートランドには、人と人を繋げるだけではない、Educateしてくれる良質なコミュニティがたくさんある。名刺交換のように肩書きで人と人を繋ぐのと、核となる思想やセンスに共鳴して人と人が繋がるのは大きく異なる。ここでどれだけ良さを語っても、残念ながらこればかりは体験しないと理解してもらえない。この夏はプログラムに参加して、コミュニティの本質に触れる旅をしてほしい。新たに獲得した考え方は、一生消えずに使えるのだから。

昨年秋にBrewing Camp in ポートランドを企画してくれたレッドさんとも再開。私の隣はレッドさんの愛する妻レイちゃん。

CREATIVE CAMP in ポートランド』 担当:岡島悦代
※2017年ポートランドプログラム参加者を現在募集中です



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