講義では難しい話しもあり、理解しきれないこともありましたが、
渡辺真也さんのお話しの中で心に響いた言葉が2つありました。
1つ目は、物語がなぜ必要なのか?本能的に安心するからという言葉です。
人は誰でも物語を持っていると思います。何かの、誰かの物語に触れることで、
どこかで今の自分自身を肯定し、誰かと繋がっていたい思いや
共感、相互理解のようなものを誰もが求めているのではないかと思いました。
2つ目は、優れた芸術家は私の中にあなた、あなたの中に私があること、
それをあなたより早く気づき伝えること、という言葉です。
優れた芸術家でなくても誰でも、出来ることだと思いました。
他人に対して、共感すること、優しさを持つこと、伝えることの大切さを感じました。
後日、渡辺真也さんが初監督をした映画『soul odyssey』をみました。
ヨーゼフ・ボイス、ナムジュン・パイクを通して、ユーラシア、人類、そして
渡辺さんが、自分自身に向き合う旅だったのではないかと思います。
何より感動し、素晴らしいなと思ったのは、渡辺さんが自分の足を使ってユーラシア大陸を、
ヒッチハイクなどもして、出会う人々や事象に1つ1つ誠実に向き合って、
渡辺さんなりの答えのようなものを導き出していたことです。
自身の仕事やとりくんでいること、そのことにどれくらい本気で、誠実に向き合っているのか。
それが人を感動させるのではないでしょうか。
[text:荒井光弘]