講義レポート

小さな一歩の踏み出し方を知ることは、大きな糧となる

「未来を耕すダブルローカルライフ」第2期 講義レポート

デュアルライフとか、二拠点生活とか、田舎暮らしとか。なんとなく興味はあっても、都会暮らしが長くなると、正直ハードルが高い気がする。

何から始めるべき?場所はどうやって選ぶ?お金はどうやって稼ぐ?…不安も大きくなり、結局、一歩がなかなか踏みだせない。

「未来を耕すダブルローカルライフ」は、そんなハードルを、ものすごく小さく、軽くしてくれる講義でした。

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仕事で、いろいろな地方自治体のPRをお手伝いしている私ですが、情報発信をしていくだけでなく、「もっともっと地域の方々と“深く”関わりながら、地域も、自分の人生も、より豊かにしていけたら・・・」という思いを、ずっと抱えていました。

そんな折に「未来を耕すダブルローカルライフ」の講義ページに書いてあった「自分のやりたいことを“営む”ことが、“まちに関わる”ことになる」というメッセージに出会い、ハッとさせられ、直感的に受講を決めました。

同期生は、大企業の経理、IT営業、セールスプロモーション、小学校の先生、建築設計士、大学生、退職後旦那さんと世界一周。。。などなど職業も経歴もバラエティに富み、年齢も20代前半から来年50歳を迎えるに当たって次のステージに進もうと考える方まで幅広く、普段の生活ではなかなか出会えない人達がズラリ。

初回からはっきりと「これをやる!!」と決めている人は少なく、「自分の地元で今後何かできたら」とか「田舎生活に少し興味がある」とか、きっかけづくりのために来ている人が大半なので、「興味を同じくする人たちと交流する中で、自分の可能性を、もう一歩踏み込んで考えたい」という動機で参加した自分にも、とても馴染みやすい雰囲気でした。

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講座のハイライトは、新潟県十日町市松代にあるカフェ&ドミトリー 山ノ家での講義。教授の後藤さん、池田さんのデザイナー夫妻がダブルローカルライフを送る拠点に1泊しながら、様々なアイディアで外の人と内の人をつなげ、まちおこしのために精力的な活動を行う松代の方々から話を聞いたり、教授やキュレーターのsawakoさん、ゲストや他の受講生達とディスカッションします。

「こうすべき」という正解を聞くのではなく、講義や会話の中から、それぞれが自分の心に響く言葉を拾っていく。それらを集め、自分の中で強くなっていく思いを、今度は自分で言葉に紡いで、皆と確かめ合っていく。

私の中に特に残ったのは、こんな言葉たちでした。

「地域のため、とかでなく、自分がやりたいと思うことを優先した方がいい」

「やるかやらないか。“ダブルローカル”という概念も、走りながら考えた結果生まれたもの」

「小さな一歩をまずはやる。計画を立てないと!と、思いすぎない」

「ローカルという言葉は、別に地方でなくてもよい」

「境界をはっきり設けず、あえて曖昧さを置いておく」

「やっていることは同じでも、レイヤーを変えるだけで変わることもある」

「東京では見向きもされないことが、ローカルでは注目されることもある」

「自分が自分らしくいられる場所、ストレスを感じない場所を選ぶことが大切」

 

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第4回までの講義を経て、最終回には、教授のお二人の東京の拠点である清澄白河のgift_lab GARAGEで、各自が今後の夢を発表するのですが、皆、自分らしい一歩をきちんと見つけ、自分の言葉でアツく語れるようになっていました。

難しく考えるんじゃなく、自分のやりたい営みを通じて、ご縁のあるまちにちょっと関わることから始めてみる。。。それは、これまで都会でしか生活してなかった人でも、とっかかりやすい選択肢です。「今すぐ移住したいわけではない」もしくは「そこまでの決意はまだないけど地域に興味がある」「都会でも田舎でもいいけど、自分が自分らしくいられる場所を増やしたい」。。。そんな、バチっと決まってない、種のような、でもリアルな気持ちを大切にしながら、選択肢や可能性を広げられる考え方。

「地域活性したい!」というような大きな野望ではなく、「自分が好きなことを、いつもとすこし違う場所でやる中で、気がついたらその地域のお役に立っていた」。。。そんなアプローチは、今の時代の気分にもぴったりだなと思います。これがウケそうだから、必要とされてそうだからやる、とかよりも、自分の中から湧き出る思いを大切にする方が、結果的に長続きするし、まわりにもよい影響が及ぶはず。

こんな考え方を共有できた、同期生たちのこれからの動きが、とてもとても楽しみです。

(text by 第2期卒業生 野島優美)



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