畑なら耕したことがあるけれど、未来を耕すって何だろう?
そんな疑問を感じながら参加した「未来を耕すダブルローカルライフ」。この講義の第2回~4回は、教授のお2人がダブルローカルライフを実践中の新潟県十日町市松代へ実際足を運んでの、一泊二日のフィールドワークで、他の講座とはちょっと趣が変わっています。
「都市とは?ローカルとは?」「都市の中の非日常」「新たなSITE (場所)」「都市の多面性」「3.11」「価値観の見直し」
まずは東京での第一回の講義の中で、いくつかのキーワードが「ダブルローカルライフ」へと紡がれて行く過程を学び、その後のフィールドワークにつなげていきます。
松代でのフィールドワークの中で一番印象的だったのは、ゲスト講師で地元のキーパーソン、若井明夫さんの講義です。
「面白い事しかしてはダメ!面白かったら成功!人間は面白く生きるもの。それが生まれて来た事への恩返し。」
「将来はどうなるんだろう?と考えるのではなく、将来はこうあるべき!と考え、自分が目指した未来を作って行く。」
生まれも育ちも松代の若井さんは、大地の芸術祭関連の活動から、使われていない古民家を有効利用した貸し民家、地元の食材を使った商品作りまで、これまで地元で様々なアイディアを形にしてきました。
若井さんのこれまでの人生のお話しを交えながらポンポンと飛び出す力強い言葉に、聞いていた受講生の空気が、ぐんぐんと変わっていきます。「何かやってみよう」「自分が面白いと思う将来に向けて未来を耕してみよう」、そんな思いを、みんな感じていたようです。
「最初はとりあえず一歩踏み出してみる」「ハードルを上げているのは自分」
まったく経験のない所から松代にカフェ&ドミトリーを立ち上げた、教授である後藤さんと池田さんの言葉からも、勇気をもらいます。
熱気に包まれた講義がひと段落ついた所で、若井さんの絶品どぶろくと山ノ家の美味しい夕食をいただきながらの懇談タイムに。教授のお二人も交え、受講生からの質問も飛び交い、若井さんのお話はどんどん盛り上がります。
「講義の時間とそうじゃない時間がシームレスに繋がるこの感じがいいね」と、教授の後藤さん。
都市と地方、ここでない何処か、そうしたものをフラットに俯瞰する視点。講義でのキーワードが具現化したような繋ぎ目のない時間が、いつまでも続きました。
松代から帰った後の最終講義では、受講生それぞれの踏み出したい第一歩を発表することに。2日間のフィールドワークで刺激を受けて、みんなのプランはかなり具体的で、すでに実際に行動に移した受講生も。
一歩踏み出して現場の空気や空間を体感しないと生まれてこない思いがある。
今回得た学びの一つです。
(Text by 第1期卒業生 馬部 友幸さん)
(Photo by 第1期卒業生 貞石裕司さん他)