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「調和を見いだす視点」岡島悦代

新春クリエイティブチームコラム

2018年がスタートしましたね。ところで、みなさんの子供の頃の経験が今の仕事に繋がっていると思うことは何ですか?そこを掘り下げることで、自分の得意な事や生きるヒントに繋がるのではないかと思いました。これから全5回にわたり、クリエイティブチームのメンバーが自分の幼少期と今を考察します。

小学生の頃たくさんの友達と遊ぶより、自分がやりたいことを見つけ、そちらを優先するようなタイプだったと思う。趣味はいくつかあって、庭いじりとお菓子づくりと部屋の模様替えだった。一見バラバラの趣味のように思えるが、自分の中には共通項があった。それは、どうやったら調和が生まれベストな状態をつくり出せるかということ。

猫の額ほどの庭だったのだが、よく母と園芸店に行き、春夏秋冬何かしら花を絶やさないようにしていた。理想の庭をつくるために、大きな石を動かして親をびっくりさせることもあった。部屋の模様替えも、3ヶ月に一度くらいの頻度で本棚と机とベッドの位置を変えていた。そのたびに、引き出しの中をひっくり返し、その時の気分に合った収納方法を試した。お菓子作りは、そのプロセスも楽しいのだが、最終的に紅茶とつくったお菓子のティータイムを演出するのが好きだった。

私にとって調和を生み出す行為は一番クリエイティブになれる時だ。いろいろなものごとが適材適所に配置され、それぞれの個性が打ち消されることなく輝いている。そういう状態が自分にとっての理想だし、見ていて気持ち良く思う。それは仕事においてもいえることで、誰かの個性が発揮されない、もしくは自分がそんな状態に陥った時は不思議と怒りが湧いてきて攻撃も辞さないくらいのパワーが湧いて来るのだ。

こうした子供の頃に無意識でやっていたことを振り返ると、自分なりにものごとを編集するのが好きだったのだと思う。それは文章や映像に限らず、状況を編集してかたちにし、ひとつの着地点を見いだすこと。5歳から15年ほど続けていたバレエも究極の場の編集だと思う。ダンサーがいて、舞台美術があって、オーケストラがいて、観客がいて、何もなかった板の上に1つの調和した世界観をつくりあげる。学ぼうとして身につけたものではないけれど、経験として身体に刻まれていることは直感的に導きを与えてくれいるように感じる。

(担当講義:漬けるを楽しむ地域とつながる仕事

 



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