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隔週で発行しているメールマガジン「自由大学マガジン」の人気のコラム、FREE from FREEDOM!そのバックナンバーをお届けします。


かつてこの国で呼ばれていた「地ビール」が「クラフトビール」と名を変えブームになって久しい。雑誌の表紙で初めて「クラフトビール」の文字を見かけたのは確か5〜6年前の料理通信だったと記憶している。この手の料理専門誌がアルコールの特集を組むテッパンといえばワインと相場が決まっていたので、ビックリ!と同時に「ついに来たか」と確信した瞬間でもある。

この潮流はここ日本だけではなく全世界でも起こっている。80年代、アメリカから始まったクラフトビールブームはヨーロッパの新興国にも飛び火、デンマークのミッケラーは世界の主要都市にバーを展開しているし、日本とほぼ同時にクラフトビールの幕開けを果たしたイタリアは現在800を超えるブルワリーがひしめいている(日本は250前後)。さらにイギリス、ベルギー、ドイツなど、古くからのビール大国も伝統のスタイルを敬いながらもスタイルにとらわれない自由な発想でビールを造るブルワリーが続々誕生。スコットランドのブリュードッグがクラフトビールで新ビジネスモデルを確立したのはいい例だ。(興味ある人はコチラを読むべしhttps://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822251705/beerhouse30e-22/

私は元々ワインから入った人間であるが、13年ほど前に「よなよなエール」にハマり「ワインバーで飲むグラスワインが100mlで\1000ならパイント(USサイズで473ml)\1000のほうがお得じゃん」という甚だいやしい理由からズブズブとのめり込んだ。以降IPA、ベルギービール、ストロングエール、サワーエール・・・自分の中でブームを繰り返し続けているが、現在のクラフトビールブームが到来してからのビールファンの動きがまた面白い。

「コーヒー←→クラフトビール←→自然派ワイン」

こんな図式が出来上がっている。

コーヒー組は豆の産地や品種、発酵、焙煎によって味に違いができることがビールと共通しているから。一方自然派ワイン組は今世界的に大流行のサワーエール(ベルギーのランビックに代表されるメチャメチャ酸っぱいビール)が高じて。いずれにしてもクラフトビールが味覚の「気づき」の発信基地になっている。この先も味覚に限らず、クラフトビールからいろんな「気づき」を探していきたいな。

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(text:僕らのビール学 教授:小山田貴子



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