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父が気づかせてくれた、日本茶への情熱(浅岡友也さん)

2016年大きな変化があった卒業生を特別インタビュー(聞き手:岡島悦代)

自由大学のテーマの一つに「求め、學ぶ」というものがあります。好奇心を掻き立てるジャングルに分け入って前進する過程の中で、今まで気づかなかった自分も発見する。今年はじめて自由大学生になった浅岡友也さんは、ある事がきっかけで幼いころから親しんでいた日本茶にのめり込み、「日本茶、コトはじめ」を受講。閃きに導かれて行動した結果、人生の選択肢が増え、その枝がどんどん伸びているようです。
(聞き手:クリエイティブチーム岡島悦代)

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今年の6月の自由大学の講義を始めて受講してくれた浅岡友也さん

—自由大学を今年はじめて受講されましたが、何がきっかけだったのですか?
30歳になるタイミングで、仕事以外で夢中になれるものをトコトン追求してみようと思ったからです。住宅関連の仕事をしていますが、日本の住まいを変えよう、と熱意を持って本気で取り組んでいる人を見て、自分と比較をして落ち込んでしまったことがあって…。住まいに関することに興味があって就職したものの、仕事でのアウトプットに自分の情熱が掛け合わされているのか、悶々としていた時期がありました。そんなとき、いつも傍らにあった日本茶に目が行きました。

—日本茶は以前から興味があったのですか?
子供の頃、よく父が日本茶を飲んでいたのを覚えています。父は毎朝必ずお茶を飲んでいて、時々僕にも淹れてくれました。僕は東京生まれですが、父は静岡県の掛川市というお茶で有名な土地の出身で、60歳になったのを期に戻りました。2014年に結婚をしたのですが、その頃からお歳暮にお茶農家さんの日本茶が送られてくるようになり、それを急須で淹れて飲んだら「こんなに緑茶は美味しかったんだ!」という事に改めて気づきました。関西で一人暮らしをしていた頃は、お茶なんて送ってもらったことはなかったんですけどね。

—味の好みはありますか?
「日本茶、コトはじめ」の1回目の講義では、福岡の八女茶、鹿児島の知覧茶、京都の宇治茶などの産地別でかぶせ茶や窯炒り茶など異なる製法のお茶を飲み比べしました。それぞれに個性があって美味しいのですが、やはり小さい頃から飲み慣れた静岡の深蒸し煎茶が落ち着きます。先日は、熊本の玉緑茶を空港で見つけて買いました。出張の限られた時間の中でも、その土地のお茶を見つけるようになったんです。

—出張先でも日本茶を通してその土地と接点を持てるのは良いですね。味を比較することで、自分の好きな味に気づけると、ますます探求するきっかけが掴めますね。

「日本茶、コトはじめ」を受講した時は、日本茶で何かしたいなあ、と思っていました。そして、高まる日本茶への情熱を知識向上に向けようと「日本茶アドバイザー」の試験を11月に受験して資格を取得しました。実は、この資格を取ろうと思った時に教授の市川さんに相談しました。そうしたら、実際にお茶の製造工程を見に現場へ行くといい、というアドバイスを受けました。そして、講義の最後で発表した掛川の茶農家「ひらの園」にアポを取って訪問することになりました。

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掛川の茶農家「ひらの園」の5代目、平野昇吾さん(右)と浅岡さん

講義レポートにも書いてくれたお茶農家さんですね。
はい、それまでは青山ファーマーズマーケットで平野さんのお茶を購入するいち消費者だったんですが、茶畑を訪問させて頂く際に、初めて自分の素性と目的を語りました。訪問したときはあいにくの大雨で、妻が泣く子供をあやしながら付き合ってくれました。平野さんは世代も近く共感するところが沢山あったので、それ以来メールでやりとりをさせて頂くようになりました。

—実際に平野さんのお茶畑を訪問され、さらに日本茶への興味が湧いたのですね!最後に、今後の展望を教えて下さい。
本当にそうです。実際にお茶の製造工程を見ることで、テキストで読んだだけでは分からないことがスッと身体に入ってきました。講義を受講しなければ、実際にお茶農家さんのところに訪問するところまで行動していたかどうか…。今後は、もっと人前でお茶を淹れて美味しさを伝えることにもチャレンジしていきたいです。日本には美味しいお茶があって、平野さんのようなカッコイイお茶農家さんがいるので、僕の野望はオシャレな街で若者が手にしている飲み物を日本茶にすることです!

—日本茶を若い人たちに普及させていく活動はやり甲斐がありそうですね!今日はありがとうございました。

最近のコーヒーブームのおかげで、身近な飲料に注目が集まり、日本茶の魅力を再認識する人が確実に増えているようです。きっと浅岡さんも時代の流れを敏感に感じているのでしょう。浅岡さんは「自由大学に通ったことが、自分の中で燻っていたものをドライブさせる良いきっかけになりました。」と語ってくれました。しかし彼の探究心と集中力、そして日本茶が好きという情熱が転がるように新しい道を切り開いていることは間違いないですね。浅岡さんの来年の展開も応援しています。「日本茶、コトはじめ」も時代の変化に対応して、リニューアル予定です!お楽しみに。



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