講義レポート

写真道場」キュレータの森田です。「写真をキレイに撮れるようになりたい。」という共通の好奇心で集まる受講生たち。性別、職業、年齢もバラバラなのに、撮影実習を通じて自然と打ち解けてしまうのが写真道場の魅力。卒業しても、みんなで撮影散歩に出かけたり、受講生同士で写真のプロジェクトを立ち上げたり、写真家さんの話を聞く会に集まったりと、イベントが絶えない本講義は卒業生同士の絆もどんどん深まっています。

仲間も出来て、5回の講義で写真の腕がグンと上がる「写真道場」。今回は、そんな本講義の人物撮影の魅力についてご紹介しましょう。

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写真道場では、講義回の半分をポートレート撮影にあてています。受講生がお互いを撮り合うことで、人物撮影のコツを学ぶプログラムです。

ポートレート撮影で大事なのは3つ。「光の調整」「アングル」そして「モデルの表情を引き出すこと」。これらは、ノウハウ本だけで理解することが難しいですし、いざ練習してみようと思っても、モデルを探すのもひと苦労ですよね。講義では、プロカメラマンの大平教授が、知っておくと普段に使える人物撮影のテクニックについて、実習を通じて分りやすく教えてくれます。

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光調整の学びでは、プロが使うレフ板を使っての撮影にチャレンジ。

レフ板の効果を体験することで、光を味方につけた撮影方法が分ります。レフ板を使いこなすことで、女性ならふんわりの美しい肌の表情・男性なら影を生かしてキリリとした表情を作るコツをつかみましょう。(日常ではレフ板がなくても厚紙や布で代用できますよ。)

アングルでは、大平教授の人物写真を撮ってきた経験ならではのノウハウを教えてもらえます。例えば、スタイルが良く見える角度や、ちょっとした変化で印象がガラリと変わるポーズのつけかたなど、実習を通して丁寧にアドバイスします。

そして表情。「笑って-!」と言われても、笑顔が固まってしまい、自然な表情が撮れない。なんてことはないでしょうか?

相手のチャームポイントを引き出す写真を撮るには、ふとしたしぐさや、自然な笑顔の瞬間を見逃さないことが重要ですよ。」と、大平教授。つまるところ、お互いの良いところを見つけ合うことがポイントなんです。

最初は、モデル役を恥ずかしがっているみなさんも、交代で写真を撮り合う内に、「相手もっと良くとりたい!」と真剣な気持ちになってきます。

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実習では、3人1組になってカメラマン、モデル、レフ板係を交代しながら撮影していきます。

「この場所に手をついて、顔をちょっと左に向けてみてください」など、カメラマンがその場で光の当たり方などを考えながら、モデルに動きをつけていきます。ちょっとしたしぐさや、立つ角度が変わるだけで、いろんな表情が撮れることが分ってくると実習にも熱が入ります。みなさん「ワー!今のイイ表情!」「これスゴイの撮れたよ!」とテンションが上がり夢中でシャッターを切るので、気が付いたら数百枚も撮っていたなんてことも!撮った写真について教授からのアドバイスも受けられるので、より理解が深まります。

モデル役はカメラマンのことば通りに動いてみるだけで、本人もびっくりするようなイイ表情や、笑顔がカメラに収められていたりします。

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人物撮影から得るものは撮影技術だけでなく、普段見なれた自分とは違う、あたらしい自分との出会いなのかもしれません。

自分の顔をたくさん写真に撮ってもらうこと。大人になると、だんだんその機会は少なくなるのではないでしょうか?講義では、周りからみた、あなたのイイ表情を見つけてもらえます。撮ってもらった写真を見ると「自分ってこんな面もあるのか」と新たな自分が見えてきますよ。

同時に、相手の良いところを引き出すチカラも自然と身に付きます。自然とお互いをほめ合ったり、撮れたての画像を見せ合ったり。交代でポートレートを撮ると、いつのまにかコミュニケーション力もついてきます。

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習った技術を生かし、家族や身近な人を撮ったり、仕事場でも自分の撮影技術を発揮すれば、いろんな人に喜んでもらえます。日常では出会えない、新たな自分を再発見し、写真仲間もできる。全5回の講義を通して、さまざまな出会いを楽しみましょう。

写真道場は講義内でSNSグループを作っています。卒業しても、写真の投稿や、グループ内で写真にまつわる情報交換、イベント企画などが自由に行き交うコミュニケーションの場。期が異なる写真道場の受講生でも、イベントで出合えば、たちまちカメラトークや撮影で、いつも楽しそう。卒業してもじわじわ仲間がひろがってゆく点も、この講義の見逃せないおススメポイントですよ。



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