講義レポート

これからのメディアを考え、一緒につくっていくラボ

「ニューメディアラボ」講義レポート

ニューメディアラボ」教授/キュレーターの髙橋宏文です。「ニューメディアラボ」はその名のとおり、これからの時代にどのようなメディアを組み合わせて、つくることができるのだろうかということを一緒に考えて実践していくラボです。

現在、自由大学では、「フリユニラジオ」というWEBマガジン、そして書籍やzineなどを出していく「自由大学出版」、さらにコミュニティFMラジオ局「MOONLIGHT FM」など、メディアを多角的に立ち上げようという準備のまっただ中にありますが、「ニューメディアラボ」はまさにそれらを立ち上げようとする過程のなかで生み出された講義と言えます。

ニューメディアラボ

僕はふだんフリーランスでFMラジオ番組の放送作家やディレクターをしているのですが、自由大学ファウンダーの黒崎輝男さんといろんな話をしているなかで、これらのメディアを自由大学でも立ち上げようということになり、そこに雑誌「エココロ」のプロデューサーで神社学教授でもある中村真さんが加わりました。そして自由大学の特性とも言える受講生参加型のかたちをいかして、これからの時代のメディアに興味を持っている人たちがどんどんコンテンツづくりに参加できる環境を整えよう、ということで「ニューメディアラボ」は誕生しました。

昨年末に1期を終えたばかりですが、この「ニューメディアラボ」は、黒崎さんと中村さん、そして僕という三人に加え、ゲスト講師をお招きするかたちで進めていきました。1期では、TBSテレビプロデューサーの角田陽一郎さん、「マガジン航」編集人の仲俣暁生さん、Sow Experience Giftの関口昌弘さんをゲスト講師に迎え、既存のメディアとの関係性やこれからのメディアの可能性などを探ることにも注力しました。また、集まった受講生は実際に広告代理店や出版社、企業などで編集やWEB制作、広報をしている方々が多く見受けられました。

1期ではいくつかのグループに分かれて、それぞれがやってみたいメディアやコンテンツを考え、どのように発信していくかのプレゼン発表も行ないました。そのなかではたとえば、テレビの視聴率やラジオの聴取率、雑誌の発行部数といった既存の指標に代わる新しい「影響力指数」をつくろう、という動きもあり、この「影響力指数インスティテュート」はさっそく年明け早々から動き始めようとしています。また、「フリユニラジオ」のコンテンツなどについても、これからの個別ミーティングによって実際のかたちにしていく作業に入っていきます。

 「ニューメディアラボ」はこのように、新しいメディアづくりに興味を持っている人たちが、すでに既存のメディアで活動してきた人たちと一緒になって、これからの時代のメディアをつくっていこう、という実験的なラボです。大きなメディアでは出来ないこと、でも自分ひとりでも難しいこと。ちょうどそのあいだにあるようなものをみんなで一緒につくっていくことができるはず。すでに自由大学という環境はあります。あとは、この「ニューメディアラボ」にどんどん飛び込んできてもらい、一緒になって面白いメディアをつくっていきましょう。



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