講義レポート

チャンスをものにするために、波を感じて待ち続ける

「脱藩学」3期 講義レポート

社会の当たり前から自由になる「脱藩学」第3期。
第4回目の様子を、受講生のT.Oさんがレポートしてくれました

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脱藩先行者として「ソーシャルトラベル 旅ときどき社会貢献」の著者、本間勇輝さんにお越しいただき、社会貢献をしながらの世界一周旅行のお話、帰国後に発行された東北復興関係者のための業界紙「東北復興新聞」のお話、本間さんから脱藩学受講者へのアドバイスについてお話しいただきました。

まず、著書のなかの世界一周旅行のお話しから。会社員時代、仕事に邁進するなか、幸せの材料は整っているのに「何か違う」と感じていたそうです。そこで、自分の中の常識を壊し、再構築し、自分のミッションは何かを見つけたいという思いから、本間さんは仕事を辞め、世界一周の旅にでました。小さな社会貢献をしながらの旅のなか、今まで実感できなかった「社会」というものが実感できるようになり、また、お金は稼げたが自分に足りなかったもの、人間として必要なものがわかったといいます。

それは、世界各国宗教や文化が異なれど、どの国でも存在した「自然」と「神」だったそうです。「自然」は、東京にいる時は消費するものであり、日々感じられることがなかったものであり、「神」は、柱となる哲学や精神性のことだそうです。世界一周の旅から帰国後、旅の最中に発生した東日本大震災被災地に入り、それら「自然」と「神」が東北にあったということに気付かれました。

本間さんは、被災地で「この人の夢に乗りたい」と思えるような方々に出会いました。その思いが「東北復興新聞」の発行につながることになります。非常に印象的なお話しとして、被災地のある水産加工会社を経営されている方のお話しがありました。「大事なものは何か?」との問いに対し、その経営者の方は、震災前は「工場」と考えていたのですが、それが震災後は、「人と技術」だということに気づきました。

物質的な物を全て失い、なかにはご家族も失われた方もいらっしゃり、それにも関わらず、気付かされたことを大切に受け入れ、非常に前向きに生きておられる姿に心を打たれたそうです。このお話をなさっている本間さんは、若干涙ぐまれていらっしゃるように見え、私も涙腺が刺激されました。

脱藩者へのアドバイスとして、本間さんのご趣味である、サーフィンを例えてお話しいただきました。サーフィンにおいて波に乗るタイミングは、早くても遅くてもうまく乗ることが出来ず、絶妙なタイミングが要求されるそうです。実際は、乗れずに逃してしまう波も多いとか。その絶妙なタイミングで波に乗るには、波を感じて待ったり、タイミングを見極めることが必要とのことでした。

また、波が来ない時は、無駄にパドルをせず体力を温存させながら待つことも、準備として重要。それらを脱藩に置き替えて、チャンス(波)をものにする(乗る)には、準備(感じて待つ/タイミングを見極める/体力温存)をしておくことも重要だとおっしゃっておられました。

今後、自身の進む方向について、具体的な行動はまだ決め切れていませんが、準備だけは周到に行いながらチャンスを探しに積極的に動いて行きたい、そう感じました。

本間さん、貴重なお話しをお聞かせていただき、本当にありがとうございました。



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