講義レポート

自分自身としっかりと向き合い見つめること

「脱藩学」2期 講義レポート

社会の当たり前から自由になる「脱藩学」。
第4回の様子を、受講生の中村将之さんがレポートしてくれました。

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第4回目となるこの日は、先を行く脱藩の先輩に話を聞きました。

ゲスト講師として来ていただいたのは、宮澤佑輔さん。
公認会計士として働く一方で、ヨガインストラクターとしても活動されています。

大学卒業から今までの出来事と、その時、感じたこと、考えたことに沿って話が進みました。ご自身も悩んでいる現在進行形の姿を、惜しげもなく語っていただきました。

「ファンドやコンサルティング会社で、バリバリのビジネスマンとして活躍したかった」と大学在学中に公認会計士の資格を取得。会計監査や企業査定などに従事し、自ら選んだ道を邁進するに日々を送っていました。

しかし2008年、大きな転機を迎えます。それまで「こういうふうに世界が出来上がっている」と信じていたものがリーマンショックで崩れたのです。

よく分からなくなった宮澤さんは「やりたかったことをやろう」と昔から好きだった体を動かす趣味を始めます。ランニング、サーフィン、そして出会ったのがヨガでした。「体を動かすことは心地よいこと。それが形を変えて表れた」と感じたそうです。その面白さに気付き、ついにはインストラクターの資格を取得し、教室を開くまでに至りました。
(主宰するヨガコミュニティー「shapes yoga community」)

この頃から、それまでの仕事一辺倒な生き方からの転換を図るようになります。
感覚的には、左脳と右脳。パブリックとプライベートのどっちかに偏るのは単純過ぎないかと思うようになり、むしろ、それらが両立できるようにならないかと考え始めます。他にも、プロボノなどの社会貢献活動に取り組むなど、活動の幅を広げていきます。

パブリックとプライベートの両立を実現させた宮澤さんですが、一段階進んだ悩みが生まれます。「プライベートでやってきたことを仕事でも生かしていきたい。」そう思っていたところに、再び転機が訪れます。

会社で、どんな分野に携わりたいかを聞かれた時のことです。それまでは、プライベートな活動について会社では口にしてきませんでした。理解してもらえないと考えていたからです。それを思い切って、仕事に生かしたいと伝えました。すると、意外と受け入れてもらえたのです。また、距離を置いてきた会社のヨガ部に存続の危機が訪れました。そこで、講師役を名乗り出て参加者に喜ばれることになりました。

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大きな転機から宮澤さんを導いたのは、たくさんの言葉でした。その言葉の主は、他でもない宮澤さん自身です。

リーマンショック直後にある本と出会い、思いついたこと、感じたことを書き綴るようになりました。最初は書くのが辛かったのが、慣れてくると枠が外れたように、心地よく続けることができたといいます。日記形式に変わったものの、約5年たった今でも、継続して書き記しているそうです。

自分の言葉を並べ続けた結果、自分にとって大切なことが舞い降りてきた感覚があったといいます。なかには何度も出てくる単語もあり、それによって自分の価値観にも気づくことができたそうです。

お話を聞いて、自分自身としっかりと向き合い見つめることが大切なのだ、と改めて感じました。今まで悩みながら格闘し、そして、また一歩先へ進もうともがいている姿から、受講生は様々な気付きを得ることができたようです。宮澤さん、本当にありがとうございました。



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