講義レポート

社会の当たり前から脱藩する!?

「脱藩学」1期 講義レポート

社会の当たり前から自由になる『脱藩学』
卒業したばかりの1期生須藤達也さんが講義の様子や感想をレポートしてくださいました。

社会の当たり前から脱藩する!?

遡ること約3ヶ月前、現在担当している仕事に対し「このままこの業務内容を仕事としていく事に未来はあるのだろうか」「もっと落ち着いた環境で働きたい」「もっと稼げる仕事がしたい」といった思いが頭の中を巡り、「夏が終わったら転職活動を始めよう」と漠然と考えている自分がいました。そんな中、何気なく見ていた Facebookのタイムライン上に、「脱藩学 1期生受講生募集」の文字。そのフレーズに強く惹かれ、直感的に受講申込のメールを送信していました。
「藩」という小さな世界から外に飛び出し、師匠に付くことで知見を広げていた先人達と同じ手法で自らの選択肢を広げていく事をテーマとした脱藩学に参加することで、自分がなんとなく設定した転職活動を始める日までに、自分がやりたいこと・大事にしていること・嫌だと思っていること等を認識し、「会社」という小さな世界から「脱藩」するためのヒントを貰えれば、という受身な姿勢で7/24の初回講義へ向かった事を覚えています。

仕事を終え、19時30分から始まる講義が行われる教室に到着すると、年代・性別・環境がそれぞれ違う16名の仲間達、自身の経験や豊富なボキャブラリーから多くの気づきを引き出してくれる教授の跡部さん・キュレーターの古屋さんとの非常に濃い90分+αの連続でした。

まず各4~5名ほどのグループに分かれ、自分のルーツを探りながら「自分の中で大切にしていること」「自分の中で重用視していないこと」を抽出しながら、「そもそも何から脱藩したいのか」「脱藩することで何を得たいのか」といった要素を各々がまとめていきました。次に各グループで発表し合いながら自分達の共通項を見つけ、授業のメインテーマである「既に脱藩している方へのインタビュー」について、誰に、何を質問し、どうやってアポイントメントを取るか、話し合いました。

講義を振り返り、とても良かったと思うことは、全て一人で考えて動くのではなく、同じグループの仲間達の考えやアドバイスを聞き、跡部さん・古屋さんも都度議論に参加し、的確なフィードバックを頂けるので、決して一人よがりな考えを持つことは無く、とても魅力的な方々をインタビュー対象者として設定し、実行することが出来たことです。

また、インタビュー対象者の選定までに、「脱藩者」として多くの取り組みをされている、株式会社ベビログの板羽宣人さんをゲストスピーカーとして招いた講義が開催された事で、「脱藩」についてイメージをしっかり持つ事が出来ました。そして何より、講義中は常に良い雰囲気が教室内にはあり、講義への参加姿勢が自然と能動的になり、乾いたスポンジが水を吸うが如く、多くを吸収すると共に発信していく事が出来ました。今となれば、直感的に講義を選択し、受身の姿勢で臨んだ事は逆にとても良かったと思っています。
私達のグループは6名の方からお話を伺い、気付きをまとめ、8/28の最終講義に成果を発表する事が出来ました。サラリーマン生活を辞め、中小企業診断士の肩書きを生かして地域社会の活性化に向けたコミュニティを設立した方、一人株式会社を設立し、案件ごとに様々な事業パートナーと手を組み、オモシロいことに関わるをモットーにメディアの立ち上げを行っている方、大学卒業後に就職せず、ゲストハウスを自ら運営することで、自分の進みたい道を邁進している方とその仲間達、「脱藩学」に参加しなければ出会えなかったであろう方々からのお話はとても刺激的で、自分の中に新たな考えを創出するには十分すぎる機会でした。

私が「脱藩学」を通じて解ったことは大きく挙げると4点あります。

1つは、「ズルさはとても大切だ」ということです。ここでいう「ズルさ」とは、自分の出来ること・自身が所属する or した環境の特異性(ナリワイ)と、リスクに対する回避能力の高さを指しています。インタビューを通じ、「脱藩者」として歩みだしている方々は自分のナリワイ(ナリワイは具体的なものでなくて良い、自身の経験の中で小さな成功を収めた出来事・周囲からの認知度が高い環境など)を理解し軸にして仕事をしている、普段からリスクに対する準備姿勢が出来ている or 回避するための行動をしっかり取れていることが解りました。
「脱藩者」は先駆者として猪突猛進的・行き当たりばったり的な人と認識され、まず行動することが美徳とされがちですが、成功するためには確固たる「ズルさ」を持っていないと成立しないのではと考える様になりました。

2つめは、「何かを始めるなら、高次欲求を追い求めるべき」ということです。インタビューを行った方の多くは、マズローの5段階欲求でいうところの「成長欲求」「評価欲求」を目指して行動していることが解りました。抽象的ですが大きな命題に向かって、日々考えベストを尽くしていくことが大切で、逆にお金・住居・嫌な環境から逃れたいといった低次欲求を起因として行動を起こすことは、すぐに行き詰まる可能性が高いことが解りました。

3つめは、「目的と手段を混同してはいけない」ということです。
○○したいという目的を先ず設定し、そのために△△という手段を講じるべきであって、
日々の生活を振り返ると、手段が目的となってしまったがため、先に進むことができない・続けていたことが失敗に陥ることがよくありました。今回お話を伺った方々は、2つめで挙げた「高次欲求」に基づく大きな目標と、そのための手段である「脱藩」、手段をより良い物にする要素である「ズルさ」が明確に分かれていました。

上記の3点を「脱藩学」を始める前の自分に当てはめると、

・会社から脱藩(転職)するという手段が目的となっている。
・脱藩の動機が低次欲求のため、目的の見直しが必要である。
・今いる環境(会社)で得られるナリワイはまだある。

上記のことが解りました。それと同時に、現代社会において「脱藩」することには段階が2つあって、まず「日常を見直し、自ら出向いて人と会うことで知見を広げること」、次に「広げた知見を生かして新たな環境でチャレンジすること」ではないかと考えるようになりました。

「脱藩学」を卒業した今、私は現在の会社に身を置きながら「ナリワイ」を増やす、自ら出向いて様々な人と会って知見を広げることで、期日を決めて自身の目的をしっかり設定しようと決めました。脱藩学の仲間達とは同窓会や勉強会を定期的に開催していく運びとなりました。

日常という小さな世界から脱藩し、脱藩学に参加することで自分を変えるキッカケとなる考え・気づきに触れ、仲間・師匠達に出会うことが出来ました。

歩んできた道から一歩踏み出るその前に、お金と時間を自分に投資して本当に良かった!と今強く思っています。



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