「フリースタイル家具学」第1期開講に寄せて
教授の三輪ノブヨシさんからメッセージが届きました。

自作のソファに腰かけてご満悦の三輪さん
家具は買わない、自分でつくる
こんにちは、三輪です。
家具アーティストとして、30年活動しています。
レゴブロックってあるでしょう? 誰でも、レゴなら数秒でアーティスティックなものができてしまいます。ある日、レゴをそのまま大きくしたような家具が欲しくて、自分で作ってみたら、驚いた。
「レゴよりいいじゃん!」
そんな感じでハマってしまったのが30歳の頃。それからひたすら家具を作り続けてきました。
結婚を機に会社を辞めて、世界を放浪して帰ってきたタイミングで、始めた家具作り。その一年の間に、たまたま見てくれた人から声をかけられ、イベントや展示会に誘われ、いろんなところに行っていろんな人に会いました。
イデーの黒崎(輝男)さん、DJエスケン、トゥモローランドの佐々木さん、グラフィックステーションの吉田さん、音楽プロデューサー映画監督白井さん、リビングデザインセンター副館長お隣の奥山さん…。まだ作り初めの私を面白がって、誘っていただき展示をさせていただいたり。
今思えば、初めの一年が最高に調子良かったのかも。そのおかげで、自分の作るものは自分にとってだけではなく、他の人もまあ面白いと思ってくれるのかな?と、ちょっとだけ自信になりました。
活動スタイルは、いたってシンプル。「素人なので、頼まれればなんでもやりますよ」といった感じです。仕事とはあまり思っていません。自宅のために作った家具を車で運んで、展示会や、撮影によく運びました。家はそのたび、ガランドウに。家具が売れるというよりも、撮影用にレンタル料をいただいたり。
お金のために作るんじゃなくて、作るためにお金が必要なだけ。だから、他に効率のいいバイトをしながら5年ぐらい自由に作っていました。どんなものを作ってきたか、ちょっとだけお見せしますね。
「バイトなしでなんとかなるかも?」と思えたのは、ランニングコストが低かったから。住む場所も作る場所もタダ同然で借りられたし、材料は合板だから安い。今もそのまま、低空飛行ながら「自分のために作る」スタイルを続けています。
今は自宅を丸ごとセルフビルド中。家具にとどまらず、バスルームもキッチンもベランダも窓もほぼ自力で作って暮らしています。初めっから「これがやりたいんだ」ってことを続けてるだけなんですけどね。
だから言いたい。
「こんなに楽しいこと、みんなもやればいいのに!」
だって、自分の住む場所を作るって、根源的な楽しみじゃない? それを誰かに頼む? しかも、そのために辛い仕事をして、稼いだ大金を払う?
もったいない!!!
まずは一歩。自分のこだわり、フリースタイルDIYの世界を一緒に楽しみましょう!
(私みたいに道を踏み外さない程度にね。でも、やってみると十分楽しいよ)
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プロフィール:
三輪ノブヨシ
家具アーティスト
早稲田大学法学部卒業後、AIU保険会社に7年間勤務。2年間海外を旅した後帰国し、1998年より自己流で彫刻のような家具の創作を始める。以降、アートやデザインの垣根を越え、自由に作品を制作しながらも、機能を優先した店舗什器や個人宅の家具、学校の什器など特注家具、青山ファーマーズマーケットをはじめ屋外イベント用の什器や屋台、ストリート家具なども手がけている。
もともとの自転車好きから、珍しい自転車のコレクションも多数。“移動する家具” “コミュニケーションを取りやすい手段”としての自転車の面白さを活かし、ヨーロッパによく見られる商用の三輪自転車の企画とデザイン、製造、販売を行うサンリン自転車生活社を立ち上げる。
またコンテンポラリーダンスやバレエの舞台美術を手掛ける他、廃材の再利用プロジェクト、地域再生プロジェクトにも参加している。
家具づくりの延長として、セルフビルドで自宅までDIYした。
インスタ始めました
https://www.instagram.com/miwa_nobuyoshi/
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