講義レポート

エンドロール

『映像学』キュレーターコラム

小さい頃から、映画のエンドロールが大好きだった。
クレジットがスクリーンを駆け巡っていく時間。
鳥肌がたち、寒気を感じる。
まばたきひとつ出来ない、人が作ったものと信じられないような。
全身に染み渡る、不思議な感覚。
完全なる、憧れ。

一人一人の役割名や名前をきちんと読めるように、目を見開く。
わたしならどの役割が出来そうかと考えながら、
聞いたこともないクレジットタイトル全てを一所懸命に読む。

最近、映画館に行く機会が少なくなって、
骨までしみる感覚にさせられる映画に、中々巡り会えなくなってきた。
しかし、周りの映像作家の話を聞いている内に、
あの時の、ぞわっとする感覚が蘇ってきた。

スクリーンには映らない物語があって、ドラマがあること。
観ているだけでは、知れるはずのない面がある。

「素晴らしい監督の特徴は、見えるものより、見えないものを監督すること」

目に見えるものを、見えない周りに見せるために、
そこにたどり着くためには、どうすればいいのか?

映画は映像だけではない。
人間関係、お金、年齢、性別、国籍、職歴、現実、真実。
ビジョンよりも強いもの。
映画を見る人に、
映画を作る人に、
そして映画を作りたい人にもっと、知ってほしい。



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