講義レポート

運勢からの自由

教授コラム

ここ数年の私の研究テーマのひとつに人生において「フロー状態」をどう再現させていくかというものがある。フロー状態(ゾーン状態とも言う)とはいわゆる没我状態とか超集中状態とも言われ、超一流のスポーツ選手ならば意図的にそういう状態をつくり出せるとも言わる。皆さんの中にも、試合の時に、パスをすれば最高のアシストになり、シュートをすれば、見事に決まる。というような最高に神がかった状態を経験したことがある方もいるのではないだろうか。そういう状態を人生の流れの中で再現していくのである。人生におけるフロー状態とは流れに乗っている状態であり、占い的に言うと運勢に乗っている状態だと言えるだろう。

さて、私はそんな人生におけるフロー状態を何度か経験している。2016年4月の熊本地震のとき、私はまさにその熊本に住んでいた。熊本市中央区で震度6弱。もうあれ以上のものは人生で経験しないだろうほどの揺れだった。今、どうすべきか、これからどうなるのか、大きな余震が続くあの中で、私はフロー状態にいた。正確に言うと、その地震の数日前からフロー状態に入っていた。 いろんな人にお声掛けいただく中で、「不運でしたね」という言葉に会ったとき、ハッとした。フロー状態になると、運勢の良し悪しが「無効化」される。(そもそも運勢にはいいも悪いもないのだが)いいも悪いも「乗る」ことがフロー状態だからだ。

その時ちょうど妊娠していた子どもが1歳になった。ちなみに、今は京都に住んでいる。仕事ができるのはみんなが寝静まってからの数時間だが、あの寝ることもままならなかった日々を考えると天国のようである。何よりも、子育てから得ることはとてつもなく有り難い。そして、今、もしかしたら、フロー状態に入りつつあるのかな?と言うところにいる。

どうやらこのメルマガが1/31(水)の皆既月食の時に配信されるらしいという占い的タイミングの符合がひとつのフラグになっているのである。その後、乗れるか乗れないかは、また次のお話。

 

國武亜紀さんオススメの本

『夜と霧』グィクトール・E・フランクル

拙著でも紹介していますが、大学で心理学を学んでいた時に出会い、ずっと手元において何度も繰り返し読んでいる本です。心理学者から観たドイツ強制収容所の話ですが、決して「こんなに苦しんだ人もいるのだから私はまだ幸せなのだ」と思うための本ではありません。辛くて苦しい時、閉塞感に苛まれて、どうしようもないときに手に取ってみてください。生きることにおけるパラダイムシフトを起こすまで繰り返し読んでください。

(text: 自分軸をつくる占い教授 國武亜紀



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