講義レポート

希望の未来学 ー エネルギー編 ー レポート(1期 小菅 亜実)

希望の未来学 ー エネルギー編 ー 第1期 講義レポート

私は地域密着型の工務店の4代目で、主に木造住宅の建設、リフォーム、リノベーションを行っています。私が家業を継ごうと決めたのは、やはりあの東日本大震災があったからでした。仕事を初めてもうすぐ6年が経とうとしていますが、様々な価値観が既に変化し、これからさらにいろんな場面で変化していくことをひしひしと感じています。住宅業界をとりまく環境や、私たちの家づくりの選択肢が増えてきたこと、そして暮らし方から働き方まで。この数年、私の中で強く感じ始めたのは、建築で何ができるのかではなく、街やそこに暮らす人に建築が何をできるのかということです。

この講義を最初に受講したきっかけは、住宅業界で太陽光パネルの普及が活発化してきたことに端を発しています。パリ協定の声明から、日本も国として二酸化炭素の排出量を抑えるためZEHと呼ばれる、太陽光パネルですべての電力を賄う住宅が標準化しつつあるなか、建物に太陽光パネルを載せることだけが解決策なのか。暮らし方が変化していく中でエネルギーに関しては様々な選択肢があってもいいのではないか。という自分のなかの問いがあり、今回の希望の未来学参加に至ります。

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この講義を受けて、エネルギーの話はあまりしませんでしたが、それで良かったと思っています。世界中を旅し、自分の目で今後の世界がどのように変化していくのかを探り続けている教授の本村さんの話は、莫大な情報量で刺激というより、劇薬のようでしたが、自分では探せないなにかとやるべき方向性を目の前に叩きつけられたような衝撃がありました。最終回の授業では参加者が各々「未来に対する問い」を用意して、話し合いました。人と顔を合わせてテーブルを囲み、教授の話をもとに自分たちの未来に対する「問い」を形式上だけでなく、教授、キュレーター陣、参加者みんなでフラットに議論できたから一歩前に進むヒントをもらったように思います。みんなで未来を考えられたことは、自分でネットの情報を集るだけでは到底たどり着けず、日本の東京のさらに小さいエリアに閉じこもっている自分のマインドをポジティブに捉え進むべき方向が少し明るくなった、そんな気がしています。



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