講義レポート

“おいしい盛り付け”に魅了

「おいしい盛り付け学」講義レポート

こんにちは、おいしい盛り付け学 キュレーターの有山です。 3期を受講した河村桃子さんからの講義レポートです!

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「人は見た目で8割決まる」とよく聞きますが、この言葉と全く同じことが料理にも言え「料理の美味しさは見た目で8割決まる」、つまり料理を美味しく見せるための盛り付けがとても重要であるとゆうことは私自身が食に関わる仕事をしているため仕事を通して実感していました。

私が管理栄養士として勤務している病院は終末期医療を行っており、入院されている患者様にとって病院での食事が人生の最期の食事になることが殆どです。また、だんだんと食が細くなり私たち健常者のように沢山食べることが出来なくなっていきます。沢山食べることが出来なくても目で見て美味しく感じ心が満足する食事を、またその人の人生の思い出になるような食事を提供することが自分に出来ることであり、その努めを果たしてくれるのが料理の盛り付けでした。仕事をしていく中で盛り付けの魅力にはまり、もっと盛り付けについて学びたいと思っていたところ偶然知人から自由大学のことを教えてもらい、おいしい盛り付け学の講義を受講しました。

全5回の講義を全てきちんと通うことが自分に出来るのか初めは不安でしたが、初日の講義で全ての不安が消え去りました。講義というと一方的なものであると思いがちでしたが、教授やキュレーターをはじめ講義をみんなで作り上げていくというスタイルで毎回通うのが楽しみでした。特に印象に残っていることは講義中に教授自身のおいしそうな芸術的な作品の映像を見せながら自身の作品はおいしそうに見せているだけで実際においしいかどうかはわからないとおっしゃっていたことです。最終講義の作品製作で何を作ろうか悩んでいた私はこの言葉を聞き、自分はいつも料理の味付けにこだわるところがあるのですが今回は味付けをしない素材を使った盛り付けをしようと考え、果物の盛り合わせを考えました。

また、他の人の真似をすることも良いことだという言葉を聞き第4回の講義のゲストであるCONVEYさんが見せてくださった数々の素敵な盛り付けの写真のなかのひとつにあり脳裏に焼き付いたトマトゼリーがのっている赤い色が印象的なチーズケーキを真似させて頂きました。テーマが果物であったためスイカで赤を再現しました。

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そして最終講義の作品発表では一緒に学んだみなさんの個性光る素敵な作品がテラスに並びました。同じ講義を受けていても同じ様な作品は一つもなく、盛り付けに正解はなく無限大なのだと感じました。そんな個性豊かな作品に飯野先生が手を加えるとまた新たな顔に生まれ変わるのです。実際に体感することで私たちの味覚が視覚に左右されていることを実感しました。

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5回の講義を受けて私自身の盛り付けが劇的に変化したわけではありませんが、3回目の講義の時になかなか自分の殻から抜け出せない私に「自分の個性にもっと自信を持って良い、もっと自分の個性を追求していって下さい」とお言葉をかけて頂きもっと自分の個性を大切にしようと思えるようになりました。

盛り付け学は講義を卒業しても続きます。私自身今後も個性を大切に、また他の人の良いところは取り入れ盛り付けを極めていきたいと思います。そして講義を受講して沢山の刺激的な仲間に出会えたことはこれからの私の盛り付け人生を輝かしてくれる素晴らしい財産です。飯野教授、キュレーターの有山さん、第3期のみなさん、楽しい5回の講義をありがとうございました。

(text: 3期卒業生 河村桃子)



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