講義レポート

Neighborhood~心と心の距離が近くなる街Portland~

「Creative Camp in ポートランド2015」参加者レポート

今年の夏で4回目を迎える「Creative Camp in ポートランド」。今回レポートを書いてくれた吉田絵美子さんは、地域づくりやコミュニティデザインに興味を持ち行政の現場で働いてきました。吉田さんはポートランドでよく耳にするNeighborhoodという単語からポートランドの街を観察してみたようです。


キャンプ中に、幾度となく聞いた言葉…「Neighborhood」。最近、日本でも「ネイバーフッドデザイン」という言葉を耳にすることが多く、地域づくりやコミュニティデザインに興味があった私は、その言葉がとても深く心に残りました。ちなみに、「ネイバーフッドデザインとは、近くに住まう人同士の信頼関係づくりを通して、防災減災、孤独な子育て、環境問題など都市におけるさまざまな課題を解決していくこと」だそうです。

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でもどうも、ポートランで人々が口にする「Neighborhood」とは、そういった難しいことではなく、「自然に人々の心のなかにあるもの」…そんな感じがしました。ラボで訪問したWood&Faulkのオーナーに「なぜポートランドなのか」と質問をしたとき、彼は「Neighborhoodに美味しいレストランがあって、山や川があって、そして仲間がいて、ここはとてもcomfortableなんだ」と笑顔で答えてくれました。このとき、「Neighborhood」という言葉は辞書通りの「近隣・近所」という意味だけではなくて、もっと心で感じる「家族」、「仲間」、「友達」…広くいうと自分の「life」そのものなんじゃないか、そんなふうに思いました。

カフェでも、スーパーでも、ストリートカーやバスの中でも、目があったら笑顔で「How is going?」と会話が始まるのは、相手を認めて興味を持っているから…そこにcommunicationとcommunityが生まれるんだと思います。難しく捉えがちなコミュニティづくりや地域づくりは、頑張ってデザインするものではなくもっとシンプル…。そんな「Neighborhood」の空気を持つポートランドは、自然と心と心の距離を近くしてくれるまちです。



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