講義レポート

おいしい盛り付け学を受けて

「おいしい盛り付け学」講義レポート

こんにちは、おいしい盛り付け学 キュレーターの有山です。 2期を受講した松崎里子さんからの講義レポートです!

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私がおいしい盛り付け学を受けたきっかけは、とある新年会で盛り付けの奇跡を見たことと、食べ物をパーティーではなくても、日常での美味しそう、楽しそう、が増えるエッセンスのようなものが自分の中に増えたらいいなぁ、という気軽な考えからでした。

実際に行ってみて学んだことは、「盛り付けに正解はない」と先生がおっしゃるとおり、「これさえやれば盛り付けは何とかなる」ということを学ぶ講義ではなく、色彩の観点、料理人の観点など色々な方向からのお話を受けたうえで、さて、自分はどう盛り付けてみたいと考え、表現するかを最終回で発表するというものでした。 

発表の与えられているテーマは一つだけ。

「食べられるもの」を盛り付ける。

一人分でのセッティングでも大勢の設定でもよいです。

日々、法律や規則にしばられてがちがちの頭の私は盛り付け方や、その理論の前に、もっと根本的なことに気が付きました。

もっと条件が細かく出ていたほうが楽だと思うということは、能動的に考えられていない、ということに気が付きました。「楽しんでください」と言われても楽しめない原因は、軸が定まらない、正解がないといわれているのに、正解を探そう探そうとしてしまっている。講義内で、盛り付けをしている時の先生の手で直される食材の向き、ピックの色や素材、見え方。盛り付けは、あらゆる角度の気遣いの連続からできているんだ、との気づき。

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しかし、いろいろ気付きだしても、最終回までがなかなか難しい現実。テーマは決まっているのに形が見えない。お花を使いたくてもエディブルフラワーをお洒落に散らす自信もない。春、お花見感、ピンク、黄色、緑、ガラス。そんな単語しか定まらないときに、絶対に同じクラスの他の人がやらないこと、ということで、盆栽をお皿の脇や端ではなくあえて真ん中におく。

どうやってまとめたら世界観が伝わるかもわからないままの発表となったのですが、盆栽を運ぶために持ってきた籠だったり、持って行った盆栽と同じ、ほかの人の使っていた雪柳の枝であったり、麻のクロスをお借りして、最終的に手を加えられた時、一枚の絵が生まれました。その時に、出したかったけれど出きっていなかった春のお花見感が見えて、とても嬉しかったのを覚えています。ちょっとしたひと手間で輝きを増した盛り付けを見て、盛り付けの重要性再認識した最終回。

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いつもいつも、とはいかなくても、時間のある時に、自分でテーマを決めてちょっと盛り付けを考えてみる。下に置くクロスを、盛る器を、カップを、箸置きを。

そこで、「あ、気持ちいいな。」「ちょっと可愛いんじゃない?」「お洒落っぽい!」ワクワク楽しい感情が生まれたら日々の生活にさらなる彩りが生まれ、気持ちも豊かになるのではないかな?と思いながらまずは、手元にある器で日々練習中です。

また、食べること、器、作ることが好きな人、能動的に人生を楽しむ人達に沢山出会えたことも、講義を受けてよかったな、と思うところです。正解もない、終わりもない、でもきっと人生豊かになるおいしい盛り付け学最高です。

(text:第2期 松崎里子さん)



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