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●もし、あなたが椅子をつくるとしたら、何本足にするだろうか。1本足、2本足は安定しにくいので、3本足、4本足にする人が多いと思う。しかし、実生活では2本足で、不安定になっている方もかなりの数、存在する。
「毎日毎日、職場と家との往復で、閉塞感があります」そんな方々である。仕事か家かの2本柱の場合、バランスを崩しやすく、倒れやすい。あなたも一度は経験があるのではないだろうか。仕事でうまくいかないことがあると、それが即、家(プライベート)にも影響してしまう。


●椅子の足は、3本以上だと安定する。職場と家と、せめてもう1つ(できればもう2つ)、関わる場を持つことは大切だ。たとえば、雑誌『ソトコト』や『ecocolo』でも話題の「倅 セガレ」というプロジェクトがある。彼らは、農家出身で現在は東京で働く「農家のセガレ」たちだ。メンバーは、東京で農業に関係ないそれぞれの仕事をしている。「将来、実家を継ぐか、どうするか。継がないとしたら、自分たちにできる親孝行とは何か」それを模索しながら、実家の野菜を東京で手売りしているプロジェクトだ。
セガレのメンバーの場合、職場と家との間に、第3の居場所「セガレ」がある。彼らは、いままで「東京に残りたいが、やはり田舎の家業を継ぐべきかどうか、親孝行とは何か」を1人静かに悩み、過ごしていた。そんなある日、スクーリングパッドに参加する。「自分と同じ境遇の人がこんなにいたのか」すぐに意気投合したメンバー3名が中心となり「セガレ」を結成。彼らは、仕事
と家以外の第3の視点を手に入れ、悶々とする日々をブレイクスルーした。
●かつての家のほとんどには、縁側や土間があった。家と外の中間。そこに近所の人が集まった。土間があることで、家は、家族は外に対して、ひらいていた。現代の多くの家は、ドアの中と外で、はっきりと2分されている。中なのか外なのか、はっきりしない第3の場所。土間がないのだ。
「中なの、外なの、はっきりしてよ」
「いいや、どちらでもない。土間だ」
「仕事をとるの、私をとるの、はっきりしてよ」
「いいや、どちらでもない。セガレだ」
二者択一。白黒はっきりさせたがる相手に出会ったら、こう教えてさしあげてほしい。「3という数字は、自分をひらくきっかけとなる数字だ」ということを。
職場と家のほかに、第3の視点をもてる場所。それは、趣味の仲間でも「セガレ」のようなプロジェクトでも副業でもボランティアでも、自由大学でも、どこかのアジトでもなんでもいい。職場とも家ともすこし離れて、客観的にその2つをみつめられる場があるといい。
【 text : 深井次郎 】


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