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先日お送りした「新盆栽学」教授の塩津丈洋さんの文章です。


昨日の大嵐から一転、今日の東京は快晴。植物達も一斉に芽吹き始め 桜の花が春の訪れを知らせています。お花見等で身近に慣れ親しんでいる 桜。昔は田や畑の近くに植え、桜が開花すると田の神様が舞い降りたと信じられ種まき開始の合図にしたり、桜の満開は豊かな収穫の予祝をあらわしていたそうです。
昨今の情報化社会では桜の開花具合で、農作業のタイミングを計ることは無いかも知れませんが、たった100年前ぐらいまでは 日常的に考えられていたことなのです。特に緑豊かな島国で育った私たち日本人は、自然から沢山のこと学び植物と寄り添って今まで生きてきました。


植物達は直接的に話しかけてはくれません。しかし 開花や落葉、新緑や紅葉等 様々な姿で多くのことを教えてくれます。天気予報を見なくても 天候や気温も分かりますし、季節の変わり目や地球の変動だって分かります。
白州正子さんが「夕顔」という本で夕顔の蕾が開花する瞬間を見ようと7時間 観察し続けたことを書いていますが、ゆっくりと植物を眺めているといままで気づけなかった多くの新しい何かが見つかったりもするものです。
新盆栽学の2期の卒業生の言葉です。「盆栽が家に来て 朝日を当ててあげるためにいつもより早起きをするようになったのですが、そのおかげで毎朝ゆっくりと時間を取れるようになりました。」
朝日や水、植物を育てるための行動のおかげで、出勤前の忙しい朝の時間にゆとりが生まれたのですね。仕事や生活でばたばたと忙しい毎日を送られている皆さん、出勤前 や 通勤途中 休憩時間 や帰宅後等、少し心を落ち着かせて植物を愛でる時間を取ることで大きな何かに気づくことができるかもしれませんよ。


『新盆栽学』第4期募集中
教授:塩津丈洋 キュレーター:明石優

【関連情報】
・植物を治すという仕事
・自分で盆栽をつくる魅力
・盆栽のつくり方
・「根」を知ろうとすること
・植物に対する新しい意識



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