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「師走に観たい映画」わたしの本棚

クリエイティブチームの本棚

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自由大学クリエイティブチームが自分の本棚にあるオススメのものを紹介。

今回のテーマは「師走に観たい映画」です。

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いのちの食べかた/監督:ニコラウス・ゲイハルター

それがテーブ上にあるときの名前は料理、調理しているときの名前は食材、運ばれているときの名前は荷物、保管されているときの名前は在庫。そして、またの名をいのちという。コーンを食べたくないと話すコーン農家、1日中ウシの腹を裂くだけの作業をする人などへのインタビューや生産・流通の過程を追うドキュメンタリー。これからは忘年会や新年会で食べ物が溢れる時期。あらためて食べ物について考えさせられる作品。(佐藤大智

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(グランド・ブダペスト・ホテル/監督・脚本:ウェスアンダーソン

ウェスアンダーソンの代表的な作品。線対称の構図を得意とする彼ならではの世界観を面白おかしく表現している。
特にこの映画の中で出てくるインテリアは必見でアンティーク調のものをふんだんに使っている。その色鮮やかな世界感は表現者の端くれとして是非とも参考にしたい作品です。(岩井謙介

 

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百万円と苦虫女/監督・脚本、タナダユキ

ひょんなきっかけから前科者になってしまった主人公の鈴子は、逃げるように生まれ育った街を離れ、見知らぬ土地で百万円が貯まったらまた違う街へと転々とする。海の街、山の街、ベットタウン。人付き合いやしがらみから逃げたいと思いながらも、結局はその土地土地での人間関係に巻き込まれながら成長していく。いろんなことから逃げたくなる時もある。でも結局は、今いる場所で自分の足で立って歩くしかない。自分の弱さや強さと向き合いながら生きていくことの大切さを、女性監督ならではの柔らかい感性で伝えてくれる一本。(増田早希子

 

 

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(街の灯/監督・脚本:チャールズ・チャップリン

誰も不幸にならない、寒い日に飲むスープのように心に温かさをあたえてくれる映画。しかし製作の現場ではものすごい戦いがあった。完璧主義者のチャップリンは、短い花売り娘との出会いのシーンに342回のNGを出し、1年以上かけて撮り直しされたという。撮影日数534日のうち、このシーンの撮影だけで368日をかけている!
NGを出しつづけるチャップリンに周りはどんな態度を示しただろう。映画監督というのは芸術家であり哲学者であり宗教家だなと痛感させられる。白黒映画でサイレント映画なのに色や温度、質感を感じることができるんだと目からウロコが出る。(花村えみ

 

 

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バベットの晩餐会/監督・脚本:ガブリエル・アクセル│ 原作:カレン・ブリクセン(イサク・ディーネセン)

年末年始は家族や友人、仕事仲間と一緒に食事をする機会が多くある。美味しいものを食べたとき、怒る人なんていないと思う。この物語は19世紀後半のベルギーが舞台。神父だった父の教えを厳格に守り、慎ましく生活していた美しい姉妹のものに、パリコミューンの災難を逃れたフランス人女性がもたらしたもの。心の奥底に押し込めても、抑えられない人間の喜びを解放させれくれる。グルメ映画としても評価が高いので食いしん坊は是非ご覧ください。(岡島悦代



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