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「師走に読みたい本」わたしの本棚

クリエイティブチームの本棚

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自由大学クリエイティブチームが自分の本棚にあるオススメのものを紹介。

今回のテーマは「師走に読みたい本」です。

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(シュレディンガーの哲学する猫/竹内薫+竹内さなみ

「私は誰?」とSiriに聞いてみたら「ワタシガウカガッタトコロニヨルト、オカジマエツヨサンデス。」と言われました。それって登録された情報を答えているだけなんですね。でも、人間は自分の中身を自分でつくらないといけないんです。自分が何者なのか、という問いは生涯付きまといます。だから、人生は自分を探す旅なのですね。この本は、古今東西の哲学者が向き合った諸問題を、猫が案内役となり知の冒険を繰り広げます。ファンタジー仕立てで、哲学の世界を楽しめます。来年に向けて考える体力を付けたい人へ。(岡島悦代)

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(HELSINKI people make the city/著者Laura Iisalo & Melanie Dower

フィンランドの首都ヘルシンキをそのひとの暮らしに寄り添いながらスポットを紹介しているガイドブック。都市というものは、人が 創り出すものであることを再認識させてくれる一冊。 A Day in the Life of 〜というコーナーでフォーカスを当てている人がいつどこでどんなことをしているかなどを時間を切り口に編集してある点が読み手をその場所に連れて行ってくれるかのような感覚になる。師走という目紛しく忙しい時にこそ手に取りたい一冊。(岩井謙介)

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(ゆっくり問答/著 サティッシュ・クマール 監修、翻訳 辻信一)

なにかと追われる師走だからこそ、心は穏やかにありたいもの。サティッシュ・クマールはまるで現代のガンジーのよう。生きていく上で大事なことを大事と認めた暮らしをする実践者であり、生きる哲学者。文章は対話調で、読みやすいこともこの本の良さ。師走には「ようこそ、難局よ。よい機会をありがとう。」とサティッシュの言葉を心で唱えるみるのも良いかも。(佐藤大智)

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(幸福論/アラン (著), Alain (原著), 神谷 幹夫 (翻訳))

旅先や人生の節目で改めて自分にとっての幸せってなんだろう?を一緒に振り返らせてくれるエッセー哲学書。第1次世界大戦前後という激動の時代に高校教師でありながら社会的な事件に対して積極的に発言してきたアランが「幸福」についてまとめている。 <本編より>憂鬱な人に言いたいことはただ一つ。「遠くをごらんなさい」。  広々とした空間に目を向けてこそ人間の目はやすらぐのである。夜空の星や水平線をながめている時、眼はまったくくつろぎを得ている。眼がくつろぎを得る時、思考は自由となり、歩調はいちだんと落ち着いてくる。全身の緊張がほぐれて、腹の底まで柔らかくなる。自分のことなど考えるな、遠くを見るがいい。(花村えみ)

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(私とは何か――「個人」から「分人」へ/平野啓一郎)

年末に自分を棚卸ししてみようという講義「自分の得意(ギフト)推しで生きる」がリリースされました。講義ではそもそも自分とはどういう存在なのかということに触れていきますが、この本も「自分」がテーマ。自分の体は一つだから中身も一つであるという前提で考えてしまいがちだけど、「自分」という存在は他者によって複数あるものだということを説いています。一緒にいる人によって変化するいくつもの自分の存在を認めることで、生きることがちょっと楽になるかも。(増田早希子)



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