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「秋の夜長に観たい映画」わたしの本棚

クリエイティブチームの本棚

わたしの本棚

自由大学クリエイティブチームが自分の本棚にあるオススメのものを紹介。

今回のテーマは「秋の夜長に観たい映画」です

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(コンドル/シドニー・ポラック(監督)/ 原作『コンドルの六日間』ジェームズ・グラディ

Pコートを着たスパイに会いたい。「裏切りのサーカス」や「コードネーム U.N.C.L.E.」「キングスマン」が最近気に入ったスパイ映画。いくつかの伏線がバチンと繋がった瞬間に味わえるスリルがある。今回のオススメ映画の主人公は、ひたすら本を読むことが仕事のスパイ。ランチを買う会話すら「ここは図書館か?」と突っ込まれるようなインテリジェンスの持ち主。そこから事件が始まる…。1975年公開の作品だが、プロットや社会情勢にも注目してみるとさらに面白い。(岡島悦代)

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(キャロル/トッド・ヘインズ(監督)/原作『ザ・プライス・オブ・ソルト』パトリシア・ハイスミス

1952年のアメリアを舞台に女性同士の恋愛を描いた映画。アメリカの女性作家パトリシア・ハイスミスが52年に発表したベストセラー小説「ザ・プライス・オブ・ソルト」が原作。内容も去ることながら、50年代のライフスタイル、インテリアなどミッドセンチュリーのプロダクト好きにはたまらない一作。映像としてもわざと画質を荒くし発色を抑えることで、まるでアメリカの画家エドワード・ホッパーの世界をそのまま映像にしたかのよう。本作「キャロル」の文庫本の装丁がエドワード・ホッパーの作品を使っていることは偶然の一致なんかではないはずだ。(岩井謙介)

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(千年の一滴 だし しょうゆ/柴田 昌平(監督))

「だしには自然に対する人々の叡智が凝縮している。」フランス人プロデューサーによる視点によって、日本人の我々が普段なにげなく食べているだしやしょうゆに対して改めて多くのことを気付かされる。風土に根ざした食材を日本人が食べるように、その食材を食べる日本にしかいないカビたち。だし、しょうゆに対して、食材、自然、農業、歴史、文化、ミクロな科学の視点など多面的にアプローチした作品。だしの旨み、発酵の力。(佐藤大智)

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(舟を編む/石井裕也(監督)/『舟を編む』原作 三浦しをん)

辞書は言葉の海を渡る舟、編集者はその海を渡る舟を編んでいく、という意味でこの名がついている。「ら抜き言葉」や「憮然」のように日々変化を遂げる日本語を解説する、「今を生きる辞書」を目指す『大渡海』の出版をめぐる物語。言葉を大切にする事は人とのつながりを大切にする事なんだって気付かされる。 ちなみに「こい【恋】」という言葉は主人公の恋心から「ある人を好きになってしまい、寝ても覚めてもその人が頭から離れず、他のことが手につかなくなり、身悶えしたくなるような心の状態。/成就すれば、天にものぼる気持ちになる。」となる。(花村えみ)

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(ジャニス・リトルガールブルー/エイミー・バーグ(監督))

1960年代を代表するロックスター、ジャニス・ジョプリン。変革の時代を全速力で駆け抜け、27才でこの世を去ったジャニスの素顔に迫るドキュメンタリー。保守的な家に生まれ、自分の容姿にコンプレックスを持ち、様々な葛藤を持ちながらも歌で自分の居場所を見つけていったジャニス。愛を歌うのではなく、顔をくしゃくしゃにしながら「愛が欲しい」と歌い続けた姿が心に刺さります。死後40年以上たってもジャニスが支持され続けるのは、人の心にはどこかジャニスが歌い続けたような思いがあるからなのだと思います。(増田早希子)



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