自由大学クリエイティブチームが自分の本棚にあるオススメのものを紹介。
今回のテーマは「秋の夜長に読みたい本」です。
(ムーンパレス/ポール・オースター著)
秋の夜長に読みたい本を紹介します。本のタイトルになっている「ムーンパレス」はコロンビア大学の近くにある中華店の名前。学生の時、よく通った店の名を今でも覚えている人は多いでしょう。主人公は多くの書物から知恵を授かり、迫る不条理を、ある友達との出会いから脱していく。読んだ後は、自分の道を歩む選択肢が増えているはずです。 岡島悦代
(ヴァイキングの経済学―略奪・贈与・交易/熊野 聡著)
ヴァイキングと聞くとただの海賊というイメージですが、実情は大農場経営も同時に行なっている実業家でもあるのです。
彼らは集団をマネジメントしながら、遠征に行き、自分の持っている物資や価値を流通させる市(マーケット)を開きます。その根底にある考え方は「自分が何を提供することができるか?」という視点。「贈与」という待ちの姿勢ではなく自分の与えられることを贈る「与贈」という視点がこれからの時代には大事な考え方なのではないでしょうか。 岩井謙介
(イシュマエル ― ヒトに、まだ希望はあるか/ダニエル・クイン)
「個人によって程度の差はあれ、君たちは、君たちに世界を破壊し続ける行為を無理強いする文明システムに拘束されている。そうしないと生きられない仕組みになっている」社会に不満を抱えた主人公に対して、ゴリラが人間の常識を無視した様々な問いかけをしながら、本質に迫っていきます。秋の夜長にゆっくり落ち着いて根底を考え直してみては? 佐藤大智
(美しい日本の身体/矢田部 英正著)
日本人にとっての美しい身体とはどういうものだろう?をどんどん追求していきます。同じ洋服を着ているのに、日本人と西洋人の歩き方、立ち方、坐り方、履き物の履き方は大きく違います。何げない日常の動作の違いを、人間の身体つきについての美意識の違い、風土の違い、衣服の形の違いから、わかりやすく解き明かします。私たちの歩き方は西洋の歩行方法と比べると「ズリ足」といわれますが、着物をめったに着なくなったにも関わらず、歩き方の癖を身体は受け継いでいるのです。花村えみ
(美しく、贅沢に大人の女ー自分をもっと豊かに生きる/安井かずみ著)
昭和を代表する作詞家・安井かずみさん。女性が社会に出るのが当たり前ではなかった時代に作詞家として自分の力で稼ぎ、世界を旅し、最先端のファッションに身を包み、常に時代をリードした女性。1990年代に出版された本ですが、今読んでもまったく色褪せない「カッコよく、美しく生きるには?」という指針が書かれている本。高い美容液を使うより効果がありそうな言葉が散りばめられています。増田早希子