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今回は「片づけからの自由」です。


人が一番考えるのは、片づけのときだ。黙々と皿洗いをしているとき、何を考えているか。今日のイベントの流れを回想して、反省をしている。
料理も、メニューを考えたり作っているときは楽しい。けれど、宴もたけなわ。流しにたまった洗い物の山をみると、目をそらしたくなる。できることなら、他の人がやってくれないものか。しかし、とそこで思うのだ。それでは、成長につながらない。片づけをしなくなると、人は成長が止まる。
食事をした後、さげやすいようにお皿を重ねる人がいる。しかしそれが油ものの場合はかえって迷惑になる。皿の裏まで油がつく。すると、裏まで洗剤でしっかり洗わなけらばならない。手間がかかるのだ。よかれと思ってやってることが、実は裏目に出ていることはよくある。この辺のセンスは、片づけから目をそらしてきたものにはわからない。


スポーツの世界も、片づけが思考の時間だ。ハンマー投げの室伏選手は練習中、一投ずつ自分でハンマーをとりに行っている。ゴルフの打ちっぱなしのように、投げっぱなしでもよかろうに、自ら持ち帰る。ハンマーを抱えて戻ってくるときに、反省をしている。この反省が、次の一投に反映される。
野球のグローブの手入れも、プロならば人にやらせればいいじゃないかと思う。現に、他のメジャー選手は試合後に手入れ係にグラブを預けるが、イチロー選手は自分で磨く。
芸術の世界もしかり。知人にすごい賞をとった写真家がいるが、彼もフィルムカメラを使って、暗室にこもり自らの手で一枚一枚焼く。この手間があるからシャッターを切るときに、本当にこれでいいのかと考える。
片づける。かたをつけるということは大事で、最後まで見届けること。終わりは、できれば目をそらしたくなるものだ。終わりをしっかり見つめられるかどうか。それができる人は、同じ失敗をくり返さない。
始めるときより、終えるときにきちんと話し、お互い納得してわだかまりなく別れるか。起業をするときよりも、会社を清算するときに、迷惑をかけた人たちに真摯に頭を下げにいけるか。
ものごとの終えかたで、その人の未来が見える。しっかり終える。あなたは人生を終えるときに、どんな反省をするのだろう。小さな終わりから目をそらさず丁寧に生きていけば、大きな終わりもきっと納得のいくものになる。
【text: 深井次郎/自由大学ディレクター http://twitter.com/fukaijiro


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