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メルマガコラムFREE from FREEDOM!今回は「いい歳からの自由」です。


子育てをしたい。そんな願望がムクムクと大きくなった時期があります。27歳のことでした。
どうしたのだ、急に。理由はなんだろうと考えました。生物としての種の保存願望か。それとも、まわりの友人たちが結婚し子育てを始めたからか。しかし自分の心を丁寧にみつめてみると、そこにあるのはもっと質の異なった動機のようでした。
27歳を迎えたあたりから、「もういい年なんだから」と言われるようになりました。自分のことだけ考えて前に進むことにも躊躇するようになりました。まわりの要望にこたえて自分の価値観とは違う、衣食住にお金をかけなくてはいけなかったり、彼らの望むそれ相応の豪華なお店で食事し、豪華なホテルに泊まったり、楽しいと思えないゴルフに誘われたり(本当はバスケで激しく走り回りたいのに)。
自分の心に嘘をついて大人を演じていたマグマが、あるとき一気にボーンと溢れ出したのです。それが「子育て願望」でした。


たとえばの話、公園で男1人、蟻の行列をしゃがんでずっと見ていたらおかしい人に思われますが、子どもと一緒だと、これが良きパパになるわけです。
海辺で1人、写真を撮っていたら水着の盗撮疑惑をかけられますが、子どもと一緒なら良きパパです。
我慢していたやりたいことが、子どもと一緒ならできる。世間の目を気にしてしまうスケールの小さい男は、そう思ったようです。子どもをダシにして、後ろ指を刺されず楽しみたい。そんな理由のために子育てをしたかったのか、と気づいたときはショックでした。子どもは自分の欲求を満たすための道具じゃないぞと。
27歳の「いい年の呪縛」を経てから、ぼくは年齢不詳になろうと決めました。世間的には大人な年齢だけど、大人っぽくなくてけっこう。「いい年して」と後ろ指差されてもけっこう。やりたいように、やらせていただこうと。子どもと一緒じゃなくても、子ども心を取り戻せばいいんだ。他の人がどうとかじゃなく、自分が良いと思ったもの、カッコいい美しいと思ったものを宣言するのは勇気がいることだけど、そういう感性を信じる生き方をしていきたい。
仕事の話をすると、この「いい年の呪縛」から解き放たれた辺りから、不思議とクライアントの質が変わってきました。
以前は条件でつながっているビジネスライクなお客さんが多かったのですが、それ以降は、なんかいいんだよねという感性でつながる仕事仲間ができたように思います。
大企業のクライアントさんに直接聞いてみたことがあります。
「数ある優秀な企業の中で、わざわざ割高なお金を払って僕たちに仕事を頼んだ理由はなんですか?」
担当者は、「それは提案内容が良かったから」とか「期待以上の結果を出してくれるから」とかごにょごにょと理由を探っていましたが、しばらくして納得した答えに行き着き、はっきりした口調で答えました。
「いつお会いしても自然体で楽しそうに笑ってるから、なぜだろうと知りたくなったのでしょうね」
それまでは仕事を楽しそうにやっている人に出会ったことがなかったと。理解できないものに出会うと、人は理由を知りたくなるようです。一緒に仕事をすれば、なにかヒントがわかるかもしれない。一緒に楽しめるかもしれないと思った、というのです。
もちろんぼくにだって、楽しめない作業もときにはあります。でも、好きなことを楽しそうにやっているのが価値なのだとしたら、好きなこと以外はしてはいけないと帯を締めなおしました。
7/16-18に企画している自由大学「サマーキャンプ in 仙台」では、やりたいことを全部やろうと思います。さあ、2011年の夏がはじまりました。あなたはだれと何をしますか?
【text: 深井次郎/自由大学ディレクター http://twitter.com/fukaijiro


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