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「こだわりから、創り出す」高越温子

FREEfromFREEDOM!自由大学教授・キュレーターによる連載コラム

私の父は破天荒な人だった。もともと家にいないことが多く、一緒に過ごした記憶はあまりない。いつも何をやっているのだろう、と思っていたら、知らぬ間に勤め先を辞め、自分で会社を興していた。かと思えば、その3年後には会社をたたみ、ついには働くことすら辞めてしまった。当時はその自分勝手さに怒りを覚えたが、大人になった今となっては笑い話だ。

そんな家庭にいたからか、幼いころからずっと早く社会に出て経済的に自立したいと思っていた。生きていくためにはお金が必要で、お金を稼ぐためには働かなければならず、仕事をもらうためには人よりも努力しなければならない。そんな「こうしなければならない」という考えに囚われ続けて生きてきたように思う。

だが、義務感でがんばり続けられるほど人間は強くない。そう気づいたのは、働き始めてからだ。一所懸命に成果を出し、周囲から評価されることがあっても、心の底から嬉しいと思えることはなかった。思い描いていたはずの自立は手に入った、でも本当にこんな生き方・働き方を自分は望んでいたのだろうか。感じた違和感をやりすごすことが、私にはできなかった。そんな風にくすぶっていたとき、ここ、自由大学とも巡り合った。

自立を優先して押し殺していた自分の心が動き始めたのは、それからだ。行き場のなかった想いを講義ではきだし、自分の心に素直に生きたいと思った。興味を持った北欧の生き方・働き方を探求しに、現地の学校を訪ねてみると、感じた良さを誰かに伝えたくなって、イベントを開くようになった。すると、イベントに参加してくれた友人が、自分の得意なことをしてイキイキしている様子を目の当たりにし、もっとそんな瞬間を生み出したいと思うようになった。そうやって、動いては止まり、考えてはまた動く中で、自分ならではのこだわりが強くなり、そのこだわりから新たなものを創り出すようになっていった。

 
3月に3期目を迎える「U29で仕事をつくろう」に、キュレーターとして関わり始めたのは2期目から。未だ私の中では、好奇心に従いたい自分と、自立に囚われている自分とが戦っている。だけど囚われがあるからこそ、感じられる違和感があり、その人ならではの視点が育まれるのだとも思っている。あなたの中に眠るこだわりはなんだろう。そのこだわりから、どんなものを生み出していこうか。
 

(text: U29で仕事をつくろう  キュレーター 高越温子



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