日本酒を中心に日本を見ると様々な表情の日本が見えてきます。
そのどれを切り取っても深くまで掘り進めていけてしまうので一度ハマったらずーーーっとエンドレスな魅力に入り続けていってしまいます。
まずは日本酒というものがどう造られているのか知るだけでも日本の発酵文化と深くかかわっています。そこには並行複発酵という日本独自の発酵技術があり2種類の菌が協力しあってでんぷん質の米がアルコールを生むことになります。
運搬が難しく産地が重要なワインに比べて、米は運ぶことができるのでより造り手の技量が問われるものになるのです。
だからこそ杜氏と言われる酒造りの最高責任者がレジェンド化していったりするわけですね。
口に含んだときの豊かな香り、米の旨み、すっと抜けるキレの良さ、私の体の中を温かく駆け抜けていく感覚・・・。
日本酒は五感を使って楽しめる非常に豊かな嗜好品だと思います。
そしてそれを共有しあう仲間がいることでそれが「体験」になり絆が深まっていきます。
私も今までに本当に多くの蔵にお邪魔させていただき蔵の歴史や日本酒への情熱を伺ってきました。そのような歴史を知れば知るほど一滴の日本酒に秘められた壮大なストーリーを知ることができるのです。
「飲む」という枠にとどまりきれず、歴史、文化、農業、職人、そのひとつひとつと深くつながっていくことが大きな魅力であると思います。
今私はまだその入り口にしか立っていません。
自国の名前がはいったお酒を飲んで未来を語らえばきっと明るい未来を築くことができると思っています。
担当講義:sense of SAKE