最近、楽しかったことは何ですか?
楽しかったことって、けっこう浮かんでくると思います。友達と遊びに行くのも、旅行に行くのも、美味しいものを食べに行くのもきっと楽しいことだし、「楽しい」ってお金を出せば案外すぐに手に入るもの。
じゃあ、最近喜びを感じたことは何ですか?
これはすぐに浮かんでくる人は少ないかもしれません。
会社員として働いていた頃、日常的に「楽しい」ことはあったけど「喜び」を感じることはなかったなと思います。
でも自由大学で働き出してからは、心の中からぐっと湧き上がってくるような喜びを感じることがあります。
その違いは何だろうと考えると、喜びを感じるのには必ず「苦しみ」が伴っているということ。
ひとつの講義を生み出そうとする時、一緒に学びをつくる教授と企画を考えて、どんな人に来てほしくて、何を学んで欲しいのか。そういう人に集まってもらうためにはどんな文章に表現をしたらいいのか。ただ知識を教えられるのではなく、自分自身で学び取ってもらうためには90分間にどんな仕掛けを入れていけばいいのか。そんな風に、来てくれる人の顔を想像しながら細かいところまで考えます。なかなかアイデアが思い浮かばなくて進まないこともあるし、うまく人が集まらないこともあります。
でも講義をリリースして、その講義を学びたいという人から申し込みがあった時。ちゃんと人が集まって開講できた時。そしてその講義をきっかけに受講生の表情が変わっていった時。何かに悩みながら講義に来た人がいい方向に変化できた時。
そこに至るまでの苦しみがあるからこそ、講義をするたびに小さな喜びを感じます。
自由大学で働き出して1年ほど経った頃、ある写真を見て昔からの友人から「前と表情が全然違うね。今は喜びに溢れてる感じ!」と言われたことがあります。苦しみと喜びは表裏一体だけど、それを積み上げていくと表情までだいぶ変わっていくんだなと驚きました。
もちろん会社員をだった頃より不安定なところも多いし、恵まれていたなと思うことも多々ありますが、それでも後悔はしていません。なぜならそうやって積み上げた経験はお金では買えないから。
お金で買える「楽しさ」も大切だけど、これからも「喜び」を感じることを絶やさないように生きていきたいなと思っています。