自由大学クリエイティブチームが自分の本棚にあるオススメのものを紹介。今回のテーマは「童心に戻れる本」です。
山本 マサユキ、櫻井 圭記 著「タチコマなヒビ」
AIが搭載された小型歩行戦車タチコマが、純粋な子供のようになぜ?なぜ?なぜ?と好奇心溢れるやりとりが描かれている。AIであるがゆえに、理解できない人間の行動や、生死、愛、アイデンティティーなどについて、考えもしなかった視点で無邪気に考える姿にハッとさせられる。いつの間にか人間の感情や行動が無機質な機械の方に寄ってしまっていることを子供のようなAIに気づかされる。(佐藤)
ディック・ブルーナ 文・絵 / 石井 桃子 訳 「ちいさなうさこちゃん」
今年の2月、惜しまれつつも他界したディック・ブルーナの作品。私がうさこちゃんのシリーズと出会ったのは、幼稚園に入園したころで、寝る前に毎晩のように母親に読んでもらっていた。海や動物園へ行くという日常のシンプルな楽しみが、太い線とカラフルな色彩で描かれていて、ページとページを繋ぐ間にどんな物語が眠っているのか想像力が掻き立てられました。大人になったら、どんな物語を付け加えて自分のものにするのだろう?(岡島)
湯本 香樹実 著「夏の庭―The Friends」
人生で初めて読み切った小説。これまで一冊の本を読み切った経験がなかったけれど、小学校の宿題で読書感想文のために頑張って読んだ思い出の本。ちょうど読んだタイミングが小学校6年生の夏休み、祖母の死といった小説の中の主人公と近しいシチュエーションということもあり、なぜか今も心の中にある大切な本です。(岩井)
サン=テグジュペリ著「星の王子さま」
砂漠に不時着した飛行機のパイロットが、遠い小さな星から来た少年に出会う不思議な物語「星の王子さま」。「大切なものは、目に見えない」というメッセージは、子供の頃に読んだ時は受け取れなかったけど、大人になってやっと本当の意味で理解ができるようになりました。「目に見えない大切なもの」を感じた時に、この本のことを思い出します。(増田)