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【vol.12 Publication】黒崎輝男

メールマガジン「READY STUDY GO」連載コラム

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Publish するということは
出版するということだけではない。

本を出したり、新聞や印刷物を発表して、ソフトウェアを世の中に問いかけること。
それは、コンピューター上で情報の流れの中で、時系列で一度ストップして考えをまとめて、反芻して、推敲し、文字にして印刷するという行為を通して情報をただ流れていて、日々変わっているものから確固たるものに自分の中で持っていく行為に他ならない。
だから僕らはこのPublicationを大切にする。
IDEE という家具を中心にライフスタイルを中心に展開する会社を経営していた時はLife with IDEEというカタログ雑誌を出版して7万部ぐらい売っていた。家具に込められたストーリーや、その後ろにある話。建築やデザインの話など、面白いことがいっぱい詰まったカタログ雑誌を出版して販売した。

またWhole Life CatalogueということでSputnikという働き方、生き方、人生がいっぱい詰まった本も出版した。
その時の時代の価値観を切り取って、インタビューして出版したら、今や古本屋で希少本になっている。

またFrame, というArt and theory 美術理論誌を発刊した。経済理論があるように美術にも確固たる理論があるはずだ。ということで4号発刊した。今や神田の古本屋では値段が10倍ぐらいになって売ってるということを聞いた。

今まで生きてきて、その時、その時代の興味や価値を出版するという行為は、今もNorahやa quiet dayやCraftなどのzineにも表れている。

ここで自由大学の出版社を作ろうという講座を中心にして、現在の行き詰った出版業界に風穴をあけるべくBook Trustという信託出版とでもいう組織を作っていこうと思う。
アメリカのクラウドファンディングのKickstaraterは出版だけで数千億というお金を集めたようだ。
アメリカの出版の市場は日本の10倍。人口からしても沢山本を読むようだ。それには新刊、古本、洋書、小規模出版、雑誌、すべて合わせた本好きの人がやっている本屋から本の好きな人が説明してくれる大規模な本屋まで、とにかく出版文化を結集させた場所が本屋としてある。

美味しいコーヒーを飲んだりして本を読むコーナーがあったり、ありとあらゆる方向から文字文化を盛り立てていく。ヨーロッパやラテンアメリカにもいい本屋がある。
こうした本屋文化と出版を結び続け、文字を大切にすることを自由大学の基本にしていきたい。

 



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