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【vol.10 身体で理解する 】岡島悦代

好奇心のフラグ

自由大学READY STUDY GO

昨年の夏、サンフランシスコに行った際にひどい目に遭った。ポートランドから夜10時過ぎにサンフランシスコに到着し、タクシーでホテルに向かった。車中で、昔はホームレスが多かったエリアが、現在はIT企業が増えて住宅が供給不足となり、NYのウォールストリートよりも賃料が高いんだ、なんて運転手さんと話をしながらホテルに到着した。そして、ホテルの入口から白いシャツの人がやって来て、タクシーのトランクからスーツケースを取り出し、ホテルのフロントに案内してくれた。

夜も遅いし、早く部屋に入ってシャワーを浴びて寝たいと思っていたのに、フロントで予約が入っていないと言われた。よく見ると予約したのとは違うホテルで、私が予約したホテルは2ブロック南に降ったところだった。先程、ホテルにスーツケースを運んでくれた人が入口までスーツケースを持って行ってくれたと思いきや「付いて来て」と言って道を進み出した。嫌な予感がしたのだけれど、隣のクラブの用心棒に「○○ホテルは何処だ?」と聞いていたので。「もしや親切な人?」と思ってしまった。その時はある種のポートランドの良い人文化に浸っていたので、疑うなんてとんでもないという感覚に陥っていたのかもしれない。

でも本当にヤバいと確信を得たのがWEADの香りと、暗くて人気のない道に入ったとき。歓楽街で華やかな場所でも一本道を入ると、目つきが虚ろな人たちがいてゲットーな雰囲気を出していた。「あのさ、そっちじゃないからスーツケース返して!」と言い放ったとき、相手の目が爛々としていて「ここはサンフランシスコのサタデーナイトだった」と全身の毛穴が収縮して反応した。

その後ホテルまで付いてきたので、フロントの人に追い払ってもらったけれどしつこいので丁寧な口調で「警察呼びたくないの。よろしく」と言って帰ってもらった。空港から降りて、土地の雰囲気にチューニングする時間が足りなかったなあと思いつつ眠りについたのでした。



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