自由大学クリエイティブチームが自分の本棚にあるオススメのものを紹介。
今回のテーマは「自分をやる気にさせる本」です。
影山知明 著「ゆっくり、いそげ〜カフェからはじめる人を手段化しない経済〜」
貨幣や経済、資本主義の流れについて、人間らしく生きていくためにはどう捉えるか?の視点を増やしてくれます。一番ハッとさせられたのは、仕事と代金を「等価」にしてはダメだというくだり。「不等価」な交換だからこそ、より多くを受け取ったと感じる側が、その負債感を解消すべく次なる「贈る」行為への動機を抱くのです。何のために働くのか、稼ぐのか、そしてどう生きるのか。一つのカフェを舞台に考察が繰り広げられていきます。(花村)
白州正子 著 「縁あって」
白洲次郎の妻であり、随筆家や骨董の収集家としても知られている白洲正子の作品。モノの価値を見定める情景が事細かに描かれており、その文章を読むとあたかも著者の正子の脇に佇みモノを眺めている気分になってくる。趣味は異なるがトーンは同じものを考えるときに役に立つ。(岩井)
伊藤洋志 著 「ナリワイをつくる」
社を辞めようか悩んでいた時に背中を押してくれた本。個人レベルではじめられて、自分の時間と健康をお金と交換するのでなく、やればやるほど頭と体が鍛えられ、技が身に付く仕事をナリワイ(生業)と定義。1つの仕事で30万円を稼ぐのではなく、3万円の「ナリワイ」を10個創って生活する方法を提案しています。自分には何もできない、と思っていても今と違う環境に飛び込んでみると実は他人の役に立てることはたくさんあったりする。「働く」ことへの常識を壊してくれる一冊。(増田)
ジェームズ・ワット著「ビジネス・フォー・パンクス」
「はじめるのはビジネスではなく、革命戦争だ」7年で70億円を売り上げるまでに成長したクラフトビールの「BrewDog」のマーケティングに関するパンクな本。読み進め彼らの志を知っていくと、いつの間にか自分も革命に参加しているように熱くなってくる。(佐藤)
サンダー・E・キャッツ著 「天然発酵の世界」
この本の序文を読んだ瞬間、身体の内側がカーッと熱くなって最後のページまで一気に読みました。発酵文化に対する著者の造詣の深さは、どんな困難な状況でも複眼的な視点で物事を捉え、前向きに生きる姿勢を教えてくれます。世界各地で自然発生的に発酵を生活に取り入れる知恵は食文化を育み、平和に暮らせるようにと願い行動してきた人類の先祖たちへ畏敬の念を抱かせます。(岡島)