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【vol.11 人生、裏街道。】岩井謙介

鮮度のある學び

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 サッカーで、ディフェンダーの予測の動きの裏をかき、ドリブルで抜くことを時たま「裏街道」ということがある。ディフェンダーは、敵がこっち(街道)と思った方に重心をかけてボールを取りに来ているので、その裏(裏街道)を敵に突かれると重心の移動に時間がかかり、あっさりドリブルで抜かれてしまうという訳だ。

僕は小学1年生から大学4年の始まりまでサッカー一筋で生きてきた人生だった。というか、サッカーしかやってこなかった人生だったので、社会人になる時にそんな狭い世界の価値基準のモノの判断だけしか出来なくなってしまうのが少し恐ろしくて、大学4年の就職活動が終わってからは、自分のココロのディフェンダーの「裏街道」を突くようになった。

具体的には、自分のいつもの選択と逆をやってみることにトライした。サッカーサークルのメンバーとボールを蹴る日々を一旦休憩して、年齢層がバラバラで自分よりも人生の先輩が多いバイトをやりまくりお金を貯める。その貯まったお金を使って、ヨーロッパを中心に海外を周るような生活を1年くらい続けていた。旅とはそういうものだと言われてしまえばそれまでだが、色々な価値観に触れることができ、おまけにチェコで雪山で遭難しかけるという珍事も経験してしまった。

ココロのディフェンダーは、実際にボールを取るわけではないのだが、言うならばこのボールに代わるものは、自分の中にある少しの不安や心配、リスクなどを伴うことにトライしようとする気持ちのようなものなのかもしれない。こういう気持ちになった時にディフェンダーは突然あらわれる。「こっちの方が、貴方が今までやって来たことに近いですよ。安全ですよ。ある程度の結果が保障されてますよ。」と親切に教えて下さる。だから、その裏を突くわけだ。

けれどこの「裏街道」は厄介なもので、いつも「裏街道」を突いて選択しているうちに、その「裏街道」がいつの間にか自分にとっての表のメイン街道に成り代わってしまうことがある。なので、じっくりその状況を観察することが大事なのかもしれない。ディフェンダーの重心が今どちらにあるのかをサッカーで判断するように。

サッカーの世界だけの価値基準だけでは世界が狭いと離れたのに、こうしてまたサッカーから教訓を得ているという裏街道の裏を突くカタチになったが、これからも何がメインで何が裏なのかを考えて生きていきたい。



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