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【vol.9 毎日が、オーディション】岩井謙介

鮮度のある學び

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フリーランスとして仕事をしていると、「毎日が、オーディション」のような気分になる。ということもあり、オーディションの質問かのように企業を辞めた時に浴びせられた質問を手掛かりに書き進めたいと思う。

以前の勤め先を離れる時に「辞めて次は何をやるの?」「安定した職を手放してスゴイね」「自由だね」などという言葉をかけられたのが、ついこの間のようだ。

まず、「辞めて次に何をやるの?」ということに関していうと、特に決めていないというのが正直なところだった。自分の興味の範囲におさまることなら指で数えることは簡単なのかもしれないが、よく考えてみると自分の知らない世界の方がまだまだ圧倒的に広いということは、年4、5回海外を旅していると、強く感じる。

そして、「やりながら考えていく」ということを本当に実践してきた一年だったと感じる。これが企業で働くことと、自分で働くことの大きな違いなのだろう。僕はこの「やりながら考えていく」という自由と、企業で決められた時間に出勤する代わりに時間に合わせて換算され毎月振込まれる給料という安定を天秤にかけた時に、前述の自由を選択した。思えば3ヶ月に1回は滞在するデンマークでは、何に対しても「自分で選択すること」に対してポジティブな文化が育まれていることも僕がデンマークに惹かれる理由の一つなのかもしれない。

けれどこの「自由」というのも厄介なもので、自分の好奇心やトライしたいことにやたらめったらに手を挙げて選んでいては、限りのある時間で疲弊してしまい、最高のパフォーマンスを発揮することが難しくなってしまうジレンマに襲われてしまうわけだ。

2017年は、自分にとってフリーランスとしての2年目の始まり。自分は世の中に対して何を表現していきたいのか、伝えていきたいのかを、もう一度整理して一日一日の一試合一試合に最高のパフォーマンスが発揮できるように準備していきたいと思う。そう、「毎日が、オーディション」のように。



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