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【vol.6 一生學び続ける理由】岡島悦代

好奇心のフラグ

自由大学READY STUDY GO

何処に住むのか。住みたい場所を選んで住むようになったのは、東京で暮らすようになってからだ。実家は私が生まれる前から家を構えていたので、引っ越しをするのが憧れだった。ここではない何処かへ行きたいという思いは、日々の生活の中でしっくり来ないことから生まれる。

中学生の頃は特にその気持ちが強く、全員お揃いのジャージで部活に励む姿は牢獄にいる気分だった。さらに気持ちを落ち込ませたのは、お弁当を持ってこれなくて、みんなにおかずを一品ずつもらっていた子や、見えないところに火傷の痕がある子たちの存在。理由は深くは聞けないけれど、何か問題を抱えているのは確かだった。だけれど何もできず、できるだけ普通に振る舞うことしか出来なかったことだ。世の中の不条理を一番肌で感じた時期で、他人にしてあげられる事の限界を知った時期でもある。

同じ教室で席を並べていても、対岸にいるような隔たり。思春期の頃に強烈に感じた無力さを味わいたくなくて、相容れない世界から遠く離れようとしてきた。そして、そのうち見たい世界しか見えなくなってしまったのかもしれない。けれど、あるはずの事実を無視して暮らしていくなんて、世界はそんなに都合良くあるはずがない。イギリスのEU離脱投票や、アメリカの大統領選は今まで距離を置いてきた事への逆襲の結果なのだから。

今は東京の真ん中で、自由に生きるための學びの場をつくっている。私自身、自分の生きたいように生きたい。だけれど、他人の生きたいように生きたい欲求も受け入れないのは、単なるわがままを突き通すことになる。皆が自由に生きることが出来る社会を目指すには、お互いを承認しあえるように物事に対する理解力を身につけ、知恵を絞り、人付き合いのさじ加減を絶えず更新していかなければならない。そのために人は一生學び続けるのだと思う。

 

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