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【vol.6 ストックホルムで腑に落ちる】岩井謙介

鮮度のある學び

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「やっぱり体験してみないと分からない。」

今年3回目のスウェーデンの首都ストックホルムに来ての感想だ。

11月を北欧で過ごすのは、今回が初めてで2月に冬というものは体験しているが今回は少し勝手が違う。11月に入りロシアや北極からの寒気が北欧の方にやって来て、現地では、近年では珍しい寒波、そして大雪に見舞われている。

昔から北欧デザインは、モノの本によると「厳しく長く暗い冬の暮らしを少しでも快適にするために機能美を持つインテリアデザインが発展した。」と書いてあるのをよく目にする。実際に外は膝下まで雪が積もるほど大雪の状況を体験すると、確かに外は寒そうだし、どうしてもセントラルヒーティングが充実している家屋に身を潜め、少しゆっくりと物事を考えたくなるのも、頷ける。

でも意を決して、外に足を踏み出すと人はまばらだが皆それぞれの暮らしのリズムで活動をしているし、子供をソリの上に乗せ、親がそれを引っ張って移動しているという雪の時ならではの、暮らしの風景をよく目撃した。こういったことはなかなかメディアなどでは取り上げられないし、まさに人間的な暮らし部分などではないだろうか。

また雪が降ると街中が明るくなるので、「暗い冬」というイメージもそんなに感じられない。それよりも少し怖さを感じさせられたのが、音が無くなることなのだ。雪が音を吸収してしまうので街の音が著しく無くなってくる。そんな無音の中、16時ごろの陽が落ちる頃になるともっと不思議なことが起きる。雪雲の奥にある陽の光が雪を照らして、あたり一面が紫色一色に輝く不思議な時間がほんの数分間訪れるのだ。そんな美しい色はあたり一面に広がる頃に、ストックホルムは帰宅のラッシュアワーをむかえるが、ここの人たちはどういう訳か車内のドアのところに固まって乗ってしまうので、着膨れした冬の服装だと多くの人が乗り入れることができないので、駅の中がごった返したりしている。

こんな感じで、なんでも検索で表面的な情報はわかってしまう世の中だからこそ、本当に腑に落ちることは「やっぱり体験してみないと分からないのだ。」

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