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【vol.4 自由と寛容性】岡島悦代

好奇心のフラグ

自由大学READY STUDY GO

最近はポートランド=理想の街のベンチマークになっているので、「日本でポートランドに似た街はありますか?」と聞かれることがある。海も山もあり街中に川が流れていて地形的な条件が揃っているところはあるけれど、正直ポートランドみたいなノリがあるかというとやっぱり違う。

自由や平等、人権を尊重するリベラルな考えは、封建的な社会の反動から生まれた。アメリカの西海岸はヨーロッパの封建的な価値観から逃れたい一心で住み着いた人たちが街をつくった。だからポートランドも自分の考えを自由に発言したり表現したりすることは自然な行為なのだ。

先日、静岡市にあるカフェで自由大学についてお話させて頂く機会を頂戴した。スノドカフェの柚木さんと対談をしながら、自由大学が大切にしている価値観や講義のつくりかたなどを一頻りお話させて頂いた後、小グループに分かれてどんな學びをつくりたいのかを話し合い、発表してもらうことにした。

お茶やみかん、富士山にプラモデル、今川家や徳川家康…。學びの種はいくらでもあるなあ、と考えながら各グループの発表を楽しみにしていた。一つ目のグループ発表は「どうやったらリベラルになれるのかを學ぶ」というものだった。2つめ、3つめのグループ…。全てのグループがリベラルを學びたいと発表。なぜそんなにリベラルという言葉にフックをしたのか、とても興味が沸いた。

よくよく話を聞くと、通りを3本ほど隔てたところに県庁や市役所があるから、自由に意見を言うのを躊躇してしまうのだとか。それと同時にその感覚が面白い、と思ってしまった。今でも駿府城跡が残り、中心街は城下町だったころの風情が残っている。もしかしたら徳川家康が江戸から駿府に隠居し、大御所政治を振るっていた頃からお上に対する感覚が変わっていないのかも。その土地らしさは、一朝一夕には形成されないのだ。静岡市長はポートランドのまちづくりに度々言及されているので、これから新しい風が吹くのでしょうね。

静岡市のスノドカフェにて

静岡市のスノドカフェにて



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