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【vol.3 ヒップスターが生まれる街】岡島悦代

好奇心のフラグ

自由大学READY STUDY GO
ポートランドを最初に知ったきっかけは、サードウエーブ・コーヒーだったという人はどの位いるだろうか?1999年創業のスタンプタウン・コーヒー・ロースターズの創業者であるデュエン・ソレンソン氏は、空き物件だった元美容室に、上質なワインの評価基準を取り入れたようなコーヒーを楽しむ店をオープンした。Hair Bender(髪を巻くカーラー)というちょっとひねくれたユーモアが代表的なブレンドコーヒーの名前になった。最初は地元第一主義で、大手コーヒーチェーン店に中指を立てながら、タトゥーの入ったフレンドリーな店員がコーヒーを淹れてくれていた。2015年に大手のピーツコーヒー&ティーに売却した現在も、その頃の面影は残っている。

デュエン氏のように、情熱を持って自分の閃きを頼りに好奇心を探求して道を切り開いてきたヒップスターの成功は、数えられる程度かもしれない。けれど、彼らのような才能が花開く環境やマインドはどこからやって来るのか?ハンドドリップで高価な浅煎り豆を飲むというスタイルだけでは、若者を巻き込んだムーブメントにならなかっただろうし、彼が以前クラフトビールの種類が豊富なビアバーで働いていたことも影響しているだろう。カルチャーの震源地は、本質的な考えや新たな生活の提案が世界中のコーヒー巡礼者を惹きつける。

日本では、人口減少が日本経済を弱体化させるようなニュースを毎日のように目にするけれど、人口が少なくなっても何が本質かを考えられる人材が育っていれば、それほど心配いらないような気がしている。文化は人の精神から生まれ、それが自然と経済活動に繋がるのだから。と、いってみたのはこれを軽井沢で書いているから。軽井沢の印象は高級な避暑地という側面があるけれど、ここから良い文化が育ったのは、結果的に良い本を読んでいる人が集まったからというただその一点に集約されてるんじゃないかな。

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軽井沢にあるルヴァン美術館。とても好きな場所です

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