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【自由大学マガジン vol.152】乗り越えて進む|岡島悦代

メールマガジンコラム FREE from FREEDOM!

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隔週で発行しているメールマガジン「自由大学マガジン」の人気のコラム、FREE from FREEDOM!そのバックナンバーをお届けします。


先週、10年ぶりに台湾へ行く機会があった。昨年の秋に、「自由大学とは何ですか?」と通りすがりの台湾人の方に質問されたのがきっかけで、興味を持ってもらった。真理の前には教える側も学ぶ側も平等であること、学びたいという好奇心から講義が成り立っていること、個として自立した存在を目指していることなど、自由大学のコンセプトを一通り説明すると「それはきっと台湾でも受け入れられるし、必要なことだ」と言われた。

そして、自由大学創立者の黒崎さんが「複合進化論」というテーマで160人の聴衆の前で講演を行った。定員オーバーだけれど、会場に入りきるギリギリまで受け入れたというだけあって、熱気に包まれていた。感度の良い人たちは、次にどんな文化の流れが来るのだろうかとアンテナを張っている。現状をもっと良くしたい、そのためには変化を受け入れてやる、という総統選挙直前の空気を感じた。

台北と東京では、それほど文化的な時差を感じない。世界を見渡してみると、通信手段の発達で共感する考え方で人と人が結びつきやすくなったように思う。昔は土地に密着した集団で社会が構成されていたのが、現在は後天的に集まった人々によって大きなパワーを持つようになってきた。だからこの先、中央集権的な考えが変わっていくように思う。先日開催した「First Wednesday」のテーマが働き方だった。参加者は、組織と自分の距離の取り方に悩んでいる人ばかりでなく、個人を活かして働いているけれど、この方向性で良いのか?と確認しに来た人も目立っていた。

自由大学がいわゆるカルチャースクールと異なるのは、自主自立の精神を養う場であること。自分の感覚を常に新鮮に保つための学びがあること。足りないから補うという発想ではなく、常に変化を求める姿勢でいれば、どんな事も乗り越えていけると思う。

[text:岡島悦代]
自由大学 三代目学長

[自由大学マガジン vol.152  2016/01/20]



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