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free from freedom

隔週で発行しているメールマガジン「自由大学マガジン」の人気のコラム、FREE from FREEDOM!そのバックナンバーをお届けします。


 

キュレーターとして講義をつくることは、世の中に対して “こっちの価値観のほうが楽しくて人間らしいんじゃない?” と問いかけることではないかと思っている。

私のキュレーターとしての仕事は「小さな教室をひらく」という講義をリニューアルさせることから始まった。私自身以前は大企業の中で働いており、何のための仕事をしているのかが見えにくい業務に心身を磨耗させていると感じる事が多くあった。企業の中では “あなたにしかできない仕事” を生み出すよりも、 “誰にでも取り扱い可能な仕事” をつくるほうが奨励される。しかし、仕事には ”あなたにしかできない”という要素が必要だということを身をもって感じてきた。そこで大企業の外へ出ることを決めた私ならではの講義をつくろうと思った。自分の強みをいかした仕事を追求し続ける卒業生たちを心から応援している。

以前は受講生が新たな一歩を踏み出せるように手取り足取りのアシストをすることも仕事だと思っていることがあった。しかし、どうすれば自由になれるかは人に教えてもらうものではない。自由になるための思考の筋力は自分で鍛えるしかないのだ。キュレーターがすべきことは、思考のスイッチを入れる良い問いかけをつくること、ひらめきの状況をつくることだということにたどり着いた。今は教授、キュレーター、受講生、全員で化学反応を起こすことを楽しんでいる。

凝り固まった価値観や風習ほど、違う光の当て方をしてみたら目からウロコの発見があるのではないかと思う。学びの場から仕掛けられることは多そうだ。キュレーターとして既存の価値観に挑む講義をリリースすることは、世の中への心踊る挑戦である。

[text:花村えみ]
自由大学クリエイティブチーム



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