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【自由大学マガジン vol.139】自分のテーマは?|跡部徹

メールマガジンコラム FREE from FREEDOM!

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隔週で発行しているメールマガジン「自由大学マガジン」の人気のコラム、FREE from FREEDOM!そのバックナンバーをお届けします。


 

職業ではなく、自分のテーマを語れますか?

「自己紹介をお願いします」と言われた時、あなたは自分のことをどのように説明しますか? 職業や勤めている企業のような社会的記号で、説明していませんか。職業名で自分を説明するのは、検索エンジンにキーワードを打ち込んで絞り込みをしているよう。聴いている側も、その記号に当てはまる人物や、そこから連想するイメージを頭の中に思い浮かべます。

記号で表現する自己紹介は、機能しているのでしょうか? 自己紹介に求められることは、短時間に自分が何者なのかを理解してもらうこと。そして、他者と次のコミュニケーションを喚起することです。だとしたら、必要なのは記号を語ることではなく、自分のテーマ・自分の解決したい取り組んでいる課題を語ることです。

「どんなテーマ・課題を解決したいと思っているのか。テーマ・課題にいたった個人的な経験はなんなのか。そのために今やっていることは、どんなことなのか」短い物語として、自分の中にあるテーマを伝える。そうすることで、聴いている側が「この人にどんな情報を伝えたらいいのか。誰を紹介したらいいのか。自分が手伝ってあげられることはないか…」と、建設的にその人のテーマに対してできることを考えるようになります。

さて、ここまで書いたのであれば、僕自身のテーマを伝えないわけにはいかないですよね(笑)
自分のテーマは、「その他の選択肢を提示する」というもの。固定概念では見えなくなっている、他のやり方・他のあり方を提示する。せっかく素敵な価値があるのに、発見されていないものを補助線を引くことで見えるようにする。それこそが、僕自身のテーマであり仕事だと思っています。

自分のテーマを探求できれば、職業はその時々で何でもいいとまで思っています。コンセプター・アドバイザーとして企業にアイデアや切り口の提案、商品設計。コンサルタントとして企業の戦略設計、広義の編集者として表現やブランドとしての見え方やプロモーション設計。ファシリテーターとしてコミュニティ活動の支援やイベント実施etc. 職業として説明すると“いろいろ”ですが、提供しているのは、すべてその他の選択肢を提示することです。

自由大学で行っている「脱藩学」も、社会に敷かれたレールから選択肢を選ぶのではなく、自分のテーマから選択肢を自ら創る講義です。自分の中の物語を棚卸し、仲間・ゲストと会話することで、自分のテーマを見つけていきます。大事なのは、記号的な職業名よりも、自分のテーマ・課題から始まる物語です。

 

text: 跡部徹(脱藩学 教授)

[自由大学マガジン vol.139 2015/7/22]

 



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