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語り合う自由

竹村真理子 /日本国憲法ラボ キュレーター

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日本の大学を卒業してすぐ、イギリスの大学院へ留学した。小学校の頃に住んでいた中東のことを勉強したい、将来、中東のために仕事をしたい、という想いだけで学んだのは、「平和学」。

世界約50か国から来た約100名の学生とともに学んだ。100名それぞれが、自由に「平和」について語っていた。それぞれの「平和」観が、経験と知見に基づいた、自律したものであった。私は、自分の「平和」観がすごく薄っぺらいものであることを気づかされた。自由に議論もできなければ、自律した意見もない。思い返せば、日本人の私は、小さい頃から「戦争はいけない」と一方的に教えられてきたが、「なぜいけないか」を自らの頭で考える機会はなかった。

自由と自律は表裏一体。ヨーロッパに行くと、カフェなどの公の場で、市民があらゆるテーマを自由に議論しているのを見かける。そこでは、個人の思想は二の次。自律した個人が、相手の意見を尊重し、議論することに重きが置かれている。そんな文化が、どこか羨ましく感じる。

グローバルで通用する日本人になりたい。あらゆるテーマについて自ら考え、自律した意見をもった日本人になりたいと思う。ヨーロッパのように、日本にも、思想や立場に関わらず、自由に議論できる場が欲しいと思う。
そんな場のひとつが、自由大学の「日本国憲法ラボ」。「日本国憲法ラボ」では、特定の意見や思想を押し付けることは全くなく、歴史、法律、外国など、あらゆる視点から憲法について考える。まずは憲法を知り、理解を深めることを大切にしている。難しいテーマのように感じるが、我々の生活に根付いている文化であることに気づく。これまでの経験と憲法が化学反応を起こし、自然と意見が紡ぎ出される。

2020年、東京でのオリンピック開催が決まった。今後、世界からの日本への関心が、さらに高まるだろう。2020年までには、どんなテーマでも、外国人と対等に議論できるようになりたいものだ。

【text:竹村真理子 /日本国憲法ラボ キュレーター】
小学校時代を中東で過ごしたことがきっかけで中東和平に興味をも
つ。自由大学「キュレーション学」を卒業し、今年、「日本国憲法
ラボ」を開講。

 



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