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面白がることの探求活動  西村琢さんの未来の仕事 part4

西村琢/未来の仕事教授

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Sow Experience代表の西村琢さんにとって、仕事とはそのベースに学びがあると言います。そのあたりをさらに掘り下げていくと、実は原点に「遊び」があるのではないか。お話はついに仕事の核心へと近づいていきます。聞き手は、自由大学学長の和泉里佳さんです。

聞き手:和泉里佳(自由大学学長)
司会:高橋宏文(フリユニラジオ編集長)
写真:水澤充

part1 誘い誘われることの面白さ
part2 得体の知れない「未来の仕事」
part3 仕事のベースは学びにある
part4 仕事のさらなる原点は、面白いと思う「遊び」
part5 人生で大切なもの=面白がること


仕事のさらなる原点は、面白いと思う「遊び」

高橋 確かに、僕だったらラジオの放送原稿を一人前に書けるようになるため、先輩放送作家の原稿とかを見て学んで、そのあとお金に変えるというか、ちゃんとやっていける仕事に結びついたのですが、そう言われてみると、仕事の最初に学びがベースにある、というのはそのとおりだと思いますね。

西村 そうですね。さらに言うと、いちばん手前にあるのは「遊び」かなあとも思うんですよね。そういうふうに学びを始めたいちばんのきっかけってたぶん「ラジオって面白いなあ」っていう遊びの心だったと思うんです。「遊び」というのはゲームをするということだけじゃなくて、ある種のあこがれみたいなものですね。これは面白い、という原体験とかは絶対ありますよね。

和泉 ありますよね。それがなくてお金から入っちゃうと、ちょっとさみしいことになるから、やっぱりいちばん最初の原点というのは、自分の「遊び」とワクワク感ですよね。

西村 楽しい体験というところに原点があると思うんですね。

高橋 今、Sow Experienceでは、遊び的な要素をどれくらい取り入れているんですか?

西村 なんかそれが足りていないなあとも思うんですよね。だけど、僕らは自分たちでいろんなことをけっこうやっているんです。それは販促のためとかそのつど理由はあるんですが、たとえば2013年の新年会は、みんなでミャンマー料理を食べに行ったんですよ。実は僕、今「難民」というものにハマっていて。今まで語られてきた文脈では、支援しなくてはいけない難民なんですが、それは実際そうなんです。困っている人たちがいっぱいいるので。でも、僕は難民の話を聞いて「面白そうだ」と思ったんですね。僕なんかが前面に出ると、茶化しているようにしか聞こえなくなっちゃうんですが、でもおそらくコンテンツの宝庫であるという気がするんですよね。

そのミャンマー料理のお店はミャンマー人のおばちゃんがやっていて、その人は日本にいる難民を仕切っている。でも、難民みんなの個性が強すぎるから仕切れていなくて、すでに可笑しいという(笑)。その旦那さんも近くで焼肉屋さんをやっていて、今は立派にやっているんですが、もともとは牢屋に入れられていた経験もあったりして、壮絶なわけですよ。そこらへんの人たちよりもよっぽどたくましいし、起業家精神が旺盛なんですね。そういうのを日々、僕ら自身も追い求めて、それこそ記事にしていたりするので、商品を売って売り上げを稼ぐのとはまったく別のところで、なんか面白いネタを見つけて発信してやるぜ、ということをもっと根付かせていきたいなと思いますね。売り上げの話とはぜんぜん別で、面白い話を持ってきて広めた人が勝ちっていうルールを持ち込みたいなと思って。

 

 

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和泉 それ、西村くん自身はどういうところからネタを拾ってくるんですか?

西村 日々、いろんなところに眠っているんですよね。それはどうやって来たかというと、ウチの商品ってよくパーティーの景品で使われるんですね。そのなかで半分くらい、イベント協賛というかたちで出してくれ、と言われることが多い。それで、難民支援協会というのがあって、年末にパーティーがあったんですが、知り合い経由でそこから依頼が来たんですね。最初は断ろうとしたんですけど、なんか面白そうだなと思って、そこからだったんですよね。

和泉 そうやって、面白そうだなと思う直感がきっと鋭いんでしょうね。

西村 それはやっぱり日々、鍛えていないとできないでしょうね。面白そうだなと思っても、話を聞いて「やっぱり大変そうだな」と思ったらそれまでだし、それをちょっと茶化してやろうというのができるかどうかですよね。

和泉 「すごくない?すごくない?」みたいな(笑)。

西村 そう、「おまえら聞け、これ面白いんだから、ミャンマー料理を食べに行くぞ」というふうにいけるかどうかは常に自分へ問わないといけないですよね。

和泉 結局、そこがすべての根底にあるんじゃないかと思うんですよ。「体験ギフト」も「これ、面白いからやってみたら?」というのをギフトにしているし、「未来の仕事」も「この人が面白い仕事をしているから、話を聞いてみれば?」とか。

西村 それがさっき言った「遊び」というものに近いのかもしれないですね。最初に面白いと思えるかどうか。そこから学びが始まるじゃないですか。たとえば僕は今、難民についてけっこう詳しいんですが、それは難民について「これは面白い遊びである」と思えたから学ぶわけですよね。メチャクチャ勝手なおせっかいですよね。その人たちに「こんなイベントはどうですか?」とか日々、熱くメールしているんですけど(笑)。でも、よかれと思ってやっているんです。

和泉 そうやってちょっと面白いと思うことを同時にいくつかやっていくことで、また面白いところにつながっていったりするのかもしれないですね。

西村 だから、面白いというところから入っていくのが大事でしょうね。日々、何を面白いと思えるか、ですね。


西村琢
Sow Experience代表

2005年に体験ギフトの企画販売を行うソウ・エクスペリエンス株式会社を設立。徐々に本業が軌道に乗りつつある今、仕事旅行なども行っています。好きな言葉は「笑う門には福来る」。いやホント、笑ってると良いこと起きるものです。エネルギー源は一人でも多くの人が前のめりで刺激に満ち溢れた人生を送れる社会にしたいという思いです。
Sow Experience TAK NISHIMURA BLOG twitter: @tak_nishimura

※西村琢さんが自由大学で教授を務める講義「未来の仕事(入門編)」は現在3/18(月)からスタートする16期の申込を受付中。詳しくは自由大学ウェブサイトへGO!

part5 人生で大切なもの=面白がること



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