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【自由大学マガジン vol.123】語る自由|MARIKO

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隔週で発行している「自由大学マガジン」の人気のコラム、FREE from FREEDOM!そのバックナンバーをお届けします。


 

「語る」ということについて考えてみる。日常生活の中で、私たちは、「語る」ことがどのくらいあるだろうか。どんなテーマについて「語る」だろうか。

家で家族と将来について語る。友人とお茶をしながら、恋愛について語る。職場の同僚とキャリアプランについて語る。

イギリスに留学していたとき。何の前触れもなく、大学のカフェで、次の選挙で支持する政党について語ることとなった。

日本の大学を卒業後、イギリスに留学し、世界約50か国から来た約100名の学生とともに学んだ私は、日本の学生と世界の学生との「語る」姿勢の違いに驚かされる。支持政党について、公の場で語ることもそのひとつ。支持政党を公の場で語ることをなんとなく避ける日本の風潮の中で育ってきた私にとっては、目からウロコだった。他人の支持政党を聞いたところで、それを批判するわけではない。それを尊重し、なぜそう思うのか、なぜ自分と違うのか、を知り、自分の思考を深める。

語ってはいけないことなんてない。語りのテーマにタブーなことなんてない。そんなことに、イギリスで気づいた。

日本でも、もっと公の場でいろんなことを語りたい。恋愛、死生観、宗教、政治、平和、などなど。人の意見を聞き、自分の考えを深め、責任感のある人間になりたい。

今、政治家やメディアの中でホットなトピックである憲法もそのひとつ。実は私たちの生活に密着している憲法。政治家に任せておくだけではなく、メディアの中で専門家が話すのを見聞きするだけではなく、私たちひとりひとりが、自分たちのものとして、憲法を語り、考えを深める必要があるのではないか。

日本の憲法を勉強しにはるばる海外から留学してくる外国人もいる。外国人に注目されている日本の憲法。外国人に聞かれたとき、一人ひとりが、自分のことばで、憲法について説明し、語れるようになっておく必要があるのではないか。日本の食や文化について語るように、憲法についても語れるようになっておく必要があるのではないか。

歴史、法律、外国など、あらゆる視点から憲法について考えてみる。憲法は私たちの生活に根付いている文化であることに気づく。私たちの生活の隅々に憲法が関わっている。そんな憲法を、もっともっと、語ってみたい。いろんなことを語れるようになったら、生活が豊かになりそうだ。

text : MARIKO(日本国憲法ラボキュレーター)

[自由大学マガジン vol.123 2014/12/10]



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